2月の4大陸選手権銅メダルで、SP11位の佐藤駿(19=明大)が、気持ちの強さを示す演技で164・86点の8位とした。

冒頭の4回転ルッツは3回転になったが、続くトーループは4回転ー3回転で決めると、2本目の4回転ルッツはこらえた。後半に入り、強さを印象付けたのは、最後の7本のジャンプ。予定の3回転ループを4回転トーループに変え、見事に降りきった。「すごく成長できた」「リラックスしてできた」「最後の最後で楽しんでできたと思う」と振り返った。

先週、急きょ代替出場が決まり、調整が難しい中で、試合に臨んでいた。この日の午前の練習では10回以上も転倒していた。ただ、あきらめない。他の選手が早めに練習を切り上げる中、残り1分となるまで黙々とジャンプの修正を続ける姿があった。

ショートプログラム後には「調子がいいとは言い切れなかったけれど『ルッツは入れたいな』という思いがあったので、入れることにして。結果は失敗してしまったけれど、この経験をフリーに生かしたいと思っています。フリーは最後まで全力で滑りたいと思います」と期していた。最後の最後、シーズン最後のジャンプに、大きな軌跡を残した。