カーリング混合ダブルス日本代表の松村千秋(30=中部電力)谷田康真(28)組がノルウェー代表を5-4で下し、日本史上初のメダル獲得を確定させた。1次リーグ(L)を8勝1敗で首位通過した勢いに乗り、日本勢初の準決勝でも躍動。世界一まであと1勝とした。

4-4で迎えた第8エンド。不利な先攻だったが、松村の最終投がノルウェーのストーンをはじき出す。相手のラストショットで、最後の最後はメジャー計測勝負。数ミリ差でナンバー1を得て、勝負を決めた。松村は「涙が出るくらいうれしかったです」と目には光るものがあった。

「チャッスーペア」の愛称で知られる2人は、2年連続で世界選手権に出場。1年前の前回大会では1次Lで6勝3敗と白星を先行させながら、プレーオフ進出を逃したが、今大会は格上の米国や北欧勢からも勝利し、破竹の開幕8連勝を収めた。

この大会に懸ける思いは強かった。谷田は昨年6月に4人制のコンサドーレを退団すると、松村も4人制の中部電力で控えのリザーブへと配置転換。混合ダブルスに専念し、海外ツアーなどで経験を積んできた。

今年1月上旬に米ツアーを制覇し、2月の日本選手権でも9戦全勝で優勝。確かな実力を備え、再び世界選手権の舞台へ戻ってきた。

1次Lを終えた後、谷田が「自分たちで楽しく挑戦したい」と力を込め、松村も「みなさんにも楽しんでいただける試合をして、2人で協力して勝ち取っていきたい」と意気込んでいた通り、成熟したチームワークで勝利をつかんだ。

世界一を懸けた決勝は、29日午後2時から行われる。谷田は「最後の最後までこれた。自分たちのパフォーマンスを出し切って、楽しんで戦いたい」と言えば、松村は「応援してくれる方に恩返しできる戦い方をしたい」と世界の頂点を見据えた。

 

◆混合ダブルス(ミックスダブルス)とは

1チーム(男女各1人)が5個ずつストーンを投げる。各エンドはストーン2個をあらかじめ配置した状態からスタート。1人が1投目と5投目を投げ、もう一方の選手が2~4投目を担う。各チームとも、1試合で1度だけパワープレー(ストーンの初期配置を左右どちらかにズラし、複数得点を狙うこと)を行使できる。10エンドで終了の4人制と異なり、試合は8エンドで終了となる。オリンピック(五輪)では、18年平昌大会から正式種目に採用されているものの、日本から出場したペアはいない。