卓球女子のコンデンダー・ザグレブ(クロアチア)優勝を飾った平野美宇(23=木下グループ)が、2日の決勝での価値ある勝利で、24年パリ五輪(オリンピック)シングルス代表選考ポイントを積み上げた。

世界ランク1位で世界女王の孫穎莎(中国)に4-3で勝利。パリ五輪選考レースは2位をキープした上で、中国トップ3選手対象の勝利ポイント(7ゲームマッチ=15点)を加算した。3位の伊藤美誠(スターツ)との差を広げた。

     ◇     ◇      ◇  

“対中国勢ポイント”は、22年6月に行われた日本卓球協会の理事会で承認された。

対象は23年1月30日~24年1月21日の国際大会(個人種目。アジア大会を除く)で、対戦時の世界ランクが上位3人以内の中国選手。7ゲームマッチは1勝15点、5ゲームマッチは1勝10点が加算される。

24年パリ五輪に向けた選考レースは、新型コロナウイルスの影響による国際大会の開催の不透明さなどを考慮し、従来の世界ランク重視ではなく、主要国際大会と国内の選考会などにポイントを設定する独自のスタイルで進めてきた。

24年1月まで約2年に及ぶ選考レースの、後半戦に導入された“対中国勢ポイント”。22年4月にナショナルチームの選手などと協会が行ったミーティングで、選手側から提案があったという。

開始時期は選手の準備期間を考え、23年1月に設定。宮崎義仁専務理事は導入時に「中国対策で徹底的に研究できる。対中国が明確になった。強化が加速すると思う。選手による、選手のための選考基準になった」と期待を込めていた。

平野が今回優勝したコンデンダー・ザグレブ自体には、五輪選考ポイントは設定されていない(国際大会は世界選手権、アジア大会、アジア選手権が対象)。

一方、決勝を前に、孫に勝利すれば15点が手に入る状況となり「『このチャンスを逃したくない!』という気持ち。勝ったらプラスになるので、ポジティブに臨めた。モチベーションになっている」と明かした。

現在“対中国勢ポイント”をつかんだのは平野と、選考レース首位独走の早田ひな(日本生命)のみ。平野は今回の孫からの勝利(15点)と、3月に当時世界ランク3位の王芸迪から勝利(10点)で計25点。早田も5月の世界選手権準々決勝で、王芸迪を破って15点を加算している。

導入当初、自身は“対中国勢ポイント”に反対のスタンスだったという平野は「まさかこんなに自分が(特別ポイントを)使えるとは思っていなかったです」とほほえんだ。【松本航】

◆パリ五輪代表選考 24年1月開催予定の全日本選手権まで約2年間、シングルス2枠を懸けた選考レース。2年間で計6度の国内選考会、世界選手権、アジア大会などが対象で、男女上位2人を選出する。団体戦出場枠を獲得できた場合、残り1人の代表はシングルスで選出した2人とダブルスが組め、団体戦での活躍が期待できる選手に決定する。

◆パリ五輪シングルス代表選考ポイント上位8人(7月3日時点)

〈1〉早田ひな(日本生命)497・5点

〈2〉平野美宇(木下グループ)312点

〈3〉伊藤美誠(スターツ)275・5点

〈4〉木原美悠(木下グループ)228点

〈5〉佐藤瞳(ミキハウス)185点

〈6〉長崎美柚(木下グループ)180点

〈7〉張本美和(木下アカデミー)170・5点

〈8〉芝田沙季(ミキハウス)143点