日本クリケット協会(JCA)は10日、28年ロサンゼルス五輪(オリンピック)大会(LA28)組織委員会が、国際オリンピック委員会(IOC)に提案する追加競技候補(5競技)に「クリケット」が残ったことを受け、公式サイトで歓迎した。採用されれば1900年の第2回(近代五輪)大会以来128年ぶりの復活となる。

LA28組織委員会の提案は今月12~14日に開催されるIOC理事会、同15~17日のIOC総会で議題に挙がる見通しとなっており「LA28でのクリケット追加に向けた動きを歓迎し、IOC総会で正式決定されることを期待しています」とのコメントを出した。

JCAによると、クリケットは、ファンの数や放映権料などの大きさにより、世界で2番目に規模が大きいスポーツとも言われているという。特に、伝統的に英国とのつながりが深い国と地域での人気が大きく、5大陸全てに強豪チームとプロリーグがある。

中でもインドのプロリーグIPLは1試合あたりの放映権料が、サッカーのイングランド・プレミアリーグを超え、米プロフットボールNFLに次いで2番目に高くなった、とも言われている。

2000年ごろから国際クリケット評議会(ICC)が世界各地での普及を支援し、他の国と地域でも大きく発展。試合時間が短くダイナミックなプレーが楽しめるT20形式が主流になっていた。

日本でも「クリケットのまち」や拠点が栃木県佐野市、東京都昭島市、千葉県山武市、神奈川県川崎市、静岡県富士市、大阪府貝塚市、宮城県亘理町など関東から全国に広がっており、競技人口も大きく増加。U-19日本代表のワールドカップ(W杯)出場や、国際試合を開催できる佐野市国際クリケット場、貝塚市立ドローン・クリケット場の整備、日本人初のプロ選手の誕生、超党派クリケット議員連盟の設立など前進していた。

23~27年の5カ年戦略「開花」では「27年までに日本のクリケットは世界での活躍、リーチの拡大、社会的価値の創造、プロ化などにより、開花を迎える」などと「2027年Vision」に掲げており「オリンピックのような注目度の高い総合スポーツ大会にクリケットが参加することにより、より多くの人々にクリケットの世界への扉が開かれることを期待しております」との声明で締めくくった。