今年も三重県鈴鹿サーキットで行われた自動車のF1シリーズ第3戦、日本グランプリ(GP)が6日に幕を閉じた。公式発表によると、開幕した4日からの3日間で計26万6000人が来場。史上初の春開催に移った昨年の22万9000人から、角田裕毅(24)のレッドブル電撃昇格も契機に3万7000人増となった。国内外からファンが殺到し、前年比116%。鈴鹿に戻った2009年以降では最多となった。
最終日6日の決勝には11万5000人が訪れた。活況の一方、毎年恒例!? の悲鳴を上げたのが、会場から徒歩20~25分の最寄り駅「鈴鹿サーキット稲生(いのう)」を抱える伊勢鉄道だ。
JR河原田駅と津駅の22・3キロを結ぶ第3セクター。基本1両編成も、F1開催時は特別ダイヤで対応しているが、決勝スタートから約3時間後には「F1お帰りの伊勢鉄道 ただいま、4時時点、凄い混雑です」と大行列の混雑写真をポストした。
さらに「お時間のある方はお帰りの手段をお考えください。最終列車に乗り切れない可能性があります」と早くも案内。インバウンドも多かったため、丁寧に英語も併記した。その後も連投で最新情報を伝えた(原文まま)。
▼午後5時「かなり混んできました。お帰りは他の交通手段をお考えいただいた方が良いです。白子駅まで歩いて頂き、近鉄にお乗り換えください。輸送力は近鉄の方が上です」
潔く? 他社線を勧める投稿には「地獄絵図…」や「確かに輸送力はあちら様が上なんでしょうけど…伊勢鉄道好きの私と致しましては、少々、複雑な心境でございましてよ」などの引用リポストが寄せられた。
▼6日午後6時「本日中にお帰りになりたいなら、近鉄にお回りください。伊勢鉄道は小さな鉄道会社です。今いっぱいいっぱい頑張っていますが、限度もあるです(涙の絵文字)近鉄白子駅まで歩いて1時間です。近鉄さんをご利用ください」
▼午後6時25分「お猪口に(おちょこの絵文字)に生ビールを注がれて一生懸命飲んでる気持ちです(涙の絵文字)」
▼午後8時10分「ホッとしています。なんとか皆さんを本日中にお帰りしていただけそうです。一時はどうなるかと思いました。毎年ドキドキで心臓に悪いです」
▼午後8時16分「雷の中、雨の中、ずっと待ってくださっていたお客様の列も無くなりました。あとは鈴鹿グランプリ号のお客さまをご案内したら、肩の荷がおります。皆様、ご協力ありがとうございました」
ここにはハッシュタグで「伊勢鉄道」「鈴鹿グランプリ」「鉄道の使命は安全安定輸送」と添え「グランプリ号じゃなくて、南紀でした。疲れてますね」とツリーにぶら下げた。
▼7日午前7時23分「F-1時に伊勢鉄道をご利用いただいたお客様、近鉄におまわりいただいたお客様、いたらない伊勢鉄道でございました。それでも毎年一生懸命、皆様をお迎えお送りしています。ご理解いただき、お静かにお待ちいただいたおかげで、無事完遂できましたこと、誠に感謝しております」
▼午前7時18分「F-1の翌日、ボロ雑巾状態です。お客様、アルバイト、通訳の皆さん、警備会社さまのおかげで、無事、この翌日を生きて迎えることができました。毎年、F1時は胃が痛いし、頭は痛いし、脚は痛いし、腰は痛いし、でズタボロです。そして寝不足」
続けて「おちょこはジョッキになりたかったー ですが、何もない平日はおちょこで充分な伊勢鉄道。近鉄さんごめんなさい 公式ながら、そちらを案内してしまいました。ヒノトリ好きです」などと連投し、今年も「無事完遂」を報告すると、フォロワーやファンから感謝、ねぎらいのコメントが殺到していた。
決勝のレース自体は、凱旋(がいせん)の角田が14番手から2つ順位を上げ、ファン投票による「ドライバー・オブ・ザ・デー」に選出。レッドブルのチームメートで、ドライバー部門総合4連覇中のマックス・フェルスタッペン(27=オランダ)は今季初勝利、通算64勝目、日本GP4連覇を成し遂げて、チームとホンダとの契約最終年を最高の形で締めくくった。


