警視庁が昨年7月に野球賭博捜査で力士から押収した携帯電話に、勝ち星を数十万円で売買したと思われるメールがあったことが2日、明らかになった。

 横綱白鵬(25=宮城野)は、八百長問題の発覚に落胆を隠さなかった。この日は午前9時20分すぎから約90分間、東京・墨田区の宮城野部屋で汗を流した。稽古の後、上がり座敷で報道陣から問題を知らされると、あきれたように言った。

 白鵬

 協会も大変だな。昔、こんなに角界が騒がれたことある?

 どうしてこうなっちゃったんだろうな。時代が変わったから?

 土俵の内外では、力士のトップとして奮闘を続けてきた。初場所では6連覇を達成し、3月の春場所では朝青龍に並ぶ史上1位のV7に挑む。前日には、力士会の会長として、協会側との意見交換会を実現。力士の飲酒トラブルが相次ぎ、講師を呼んで勉強会を開くきっかけをつくったのも、白鵬だった。昨年の野球賭博問題後、トラブルに向いた世間の関心を、体を張って土俵に戻したが、またも騒動は繰り返された。

 白鵬

 1人では無理だね。全体が良くならないと…。昨日、実感した。(八百長問題は)詳しく知らないから、何とも分からない。

 寂しさも漂わせながら、不祥事が次々に噴出する現状を嘆いた。

 この日、国技館へ会合に来たという高見盛(34=東関)は「どこのばかが、そんなことをやったんだ」と怒ったように言った。野球賭博で謹慎処分を受けた豪栄道は「全く知らない。聞いたこともない」と答えた。一部のメールがきっかけで起きた八百長騒動は、角界全体を揺るがしている。