<日本ハム7-5ソフトバンク>◇22日◇札幌ドーム

 工藤ホークスは日本ハムに3連敗。貯金もなくなった。交流戦前の勝率5割に戻った。時間も同時に戻ってくれればいいのだが、時は進んで行く。本当に厳しい厳しい「夏本番」を迎えることになった。

 試合後、ロッカー室から姿を見せた達川ヘッドコーチはいつになく厳しい口調で言った。

 「(勝率5割は)リミット。次のロッテ戦で2つ勝たなかったら今年は終わり。いや、1つめじゃな。それで貯金か借金になるわけじゃから。もうトーナメントじゃよ」

 ヘッドコーチの発言だけに説得力を持つが「今年は終わり」の予想は何としてでも覆したい。達川ヘッドは続けて言った。「この3連戦は1、2点差じゃろ。負けた気がせんから悔しいんじゃ。ワンチャンスで負けている」。たぶん、選手たちも同じ気持ちなのだろう。「悔しさ」を感じないはずはない。昨年のホークスのV奪回は一昨年の大逆転V逸の「屈辱」があったからこそ。そして今、日本ハムは昨年の悔しさをホークスにぶつけている。「(日本ハムの)中田は昨年のことが悔しい悔しい、といつも言うとるらしいからのう」。負けて傷をなめ合うのは弱者。その負の歴史に終止符を打ったからこそ、ホークスは「常勝チーム」になったはずだ。

 北の大地で3連敗。ぱっくりと開いた傷口への薬となるかどうかは分からないが、敵将・日本ハム栗山監督は言う。「ホークスは必ず上がってくるチーム。いつもハラハラしながら戦っているんです」。まだまだ戦意を失うわけにはいかない。【ソフトバンク担当 佐竹英治】