20日に開幕するセンバツ高校野球の組み合わせが決まった。果たして春の日本一に輝くのはどのチームだろうか。A~Dの4ブロックに分けて展望してみた。

 【Aブロック】

▽福井工大福井-智弁学園(奈良)

▽常総学院(茨城)-鹿児島実

▽桐生第一(群馬)-滋賀学園

▽釜石(岩手)-小豆島(香川)

 常総学院が頭1つリードか。エース左腕の鈴木昭汰(3年)は昨春も8強入りに貢献するなど経験豊富。昨秋関東大会で横浜、日本航空を倒しセンバツ切符をつかむ原動力になった。2番手の樫村雄大投手(3年)も安定感がある。打線も新2年生の宮里豊汰内野手を中心に勝負強い。初戦の相手、鹿児島実は綿屋樹内野手(3年)のバットに注目。打率6割2分1厘は出場全選手中トップだ。桐生第一-滋賀学園は好カード。桐生第一は昨秋関東大会で浦和学院を破った。エース内池翔(3年)は好左腕。対する滋賀学園は2年生エース神村月光(かみむら・ひかり)の投球に注目。170センチと大柄ではないが最速144キロの直球が武器。勢いづかせると怖い。釜石-小豆島の21世紀枠対決は高校生らしいはつらつとした好ゲームに期待。

 【Bブロック】

▽明徳義塾(高知)-龍谷大平安(京都)

▽八戸学院光星(青森)-開星(島根)

▽明石商(兵庫)-日南学園(宮崎)

▽東邦(愛知)-関東第一(東京)

 エースで4番で主将の藤嶋健人投手(3年)が引っ張る東邦が抜け出すとみた。藤嶋は145キロ前後の速球が武器の本格派右腕。それ以上に注目したいのがバット。昨秋神宮大会で見せた2打席連続本塁打には度肝を抜かれた。今年の高校生の打者ではトップクラスの実力を持っている。投手は藤嶋のほかに松山(左腕)、近久(右腕)がいる。ともに140キロ超の速球を投げ込み、投手力は出場32校でもトップクラスか。対する関東第一は昨年のオコエ(楽天)のようなスター選手は不在も投打に層が厚い。全員野球で東邦に食い下がりたい。明徳義塾と龍谷大平安はともに全国制覇の経験のある名門対決。八戸学院光星は東北王者の青森山田と甲乙つけがたい実力がある。東邦の足元を救うとしたら八戸学院光星か。初出場の明石商は最速142キロを誇る吉高壮投手(3年)が中心。犠打を多用する手堅い野球で日南学園に挑む。

 【Cブロック】

▽札幌第一(北海道)-木更津総合(千葉)

▽土佐(高知)-大阪桐蔭

▽市和歌山-南陽工(山口)

▽秀岳館(熊本)-花咲徳栄(埼玉)

 大阪桐蔭、木更津総合、秀岳館、花咲徳栄など実力校が揃ったが、大阪桐蔭が勝ち抜きそうだ。最速150キロ左腕の高山優希投手(3年)の存在はもちろんだが、伝統の強力打線が健在。チーム打率3割8分1厘は32校中トップ。初戦の土佐戦で勢いづくと相手投手陣には脅威となる。土佐は投手陣の踏ん張りがカギ。木更津総合はエース早川隆久(3年)に加え同じく左腕の武田大慶(3年)が昨秋関東大会の好投で自信をつけた。強力投手陣で大阪桐蔭に対抗したい。昨秋九州大会覇者の秀岳館と昨夏甲子園8強の花咲徳栄も好カード。秀岳館の主砲・九鬼隆平捕手(3年)と花咲徳栄の最速145キロ左腕・高橋昂也投手(3年)の対決に注目したい。市和歌山-南陽工は公立校同士の対戦。

 【Dブロック】

▽東海大甲府(山梨)-創志学園(岡山)

▽高松商(香川)-いなべ総合(三重)

▽海星(長崎)-長田(兵庫)

▽敦賀気比(福井)-青森山田

 センバツ連覇を目指す敦賀気比がリード。プロ注目右腕の山崎颯一郎投手(3年)は188センチの長身から140キロ前後の速球を投げ込む。対する青森山田も実力校だが、打線も林中勇輝内野手(3年)を中心に強力な敦賀気比に分があるとみた。東海大甲府-創志学園も好カード。創志学園の高田萌生投手(3年)は最速150キロを誇る今大会屈指の好投手。東海大甲府の強力打線が高田をどう攻略するか、注目の一戦だ。昨秋の神宮大会を制した高松商も侮れない。攻守に好選手がそろい波に乗れば神宮大会の再現もある。21世紀枠の長田は大黒柱のエース園田涼輔投手(3年)に注目。昨秋は52イニングで66個の三振を奪った。ひと冬越えてさらに成長しているようだと海星打線も苦戦は免れない。