「昨年春、卒業のときに、プロに行く僕と世那(佐藤=オリックス・投手)とで、何か部に寄付しよう、ということになって。後輩たちのトレーニングのために“レッドコードトレーニング”14台を寄付したんです」と、話してくれた平沢大河選手(現ロッテ・内野手)。

 以来、部でもそれをフル活用するため、月に1回、専門のトレーナーさんを招き選手たちに指導。この冬の平時には毎日練習メニューに取り入れられ、新たなパワーを蓄えてきました。

「この冬の練習のメインはレッドコードトレーニングでしょう。これを取り入れたことで、調整力がぐんと上がりました」と佐々木監督。天井からぶら下がった2本のロープを使い多種多様の動きをすることにより「不安定な動きの中で安定した力を付けられる」(佐々木監督)とのこと。例えば、走って止まる、次の動作に移る動き。体の重心をしっかり支えたり。地上で行うトレーニングよりも効率がいいそう。しかも、高校野球でここまでの器具を揃えるのは仙台育英が初めて、というから興味深々!

「実際にやってみないとわからないよ!」という佐々木監督の言葉に誘われて、挑戦してみました!

(イラスト/樫本ゆき)
(イラスト/樫本ゆき)
私のコーチをしてくれた(写真左から)西海圭太郎君(1年)と渡部夏史君(2年)君(2年・二塁)
私のコーチをしてくれた(写真左から)西海圭太郎君(1年)と渡部夏史君(2年)君(2年・二塁)

 佐々木監督が言うように、地上での動きと空中での動きとは、体により多くの負荷がかかりとにかくキツイんです! 唯一できたのは、空中で立つこと。それもたったの1秒。選手たちはこれを基本に、たくさんの動きで鍛えているのだそう。ちょっとやらせていただいただけで、手や足がプルプル…。体幹はもちろん、それぞれの部位、動きと、本当にいいトレーニングになりそう! 

 例えば、西巻賢司選手は走攻守揃い、今大会注目の選手ですが、今後さらに上のレベルに成長するために、秋が終わった段階ではどこをどう鍛えたらいいのかがわからなかったそう。そこで、このレッドコードの動きを取り入れたところ、細かい動きの中での弱点を発見。この冬は重点的に練習をすることにより、「地面に対する踏ん張りが強くなりました。レッドコードの成果だと思います」(西巻選手)と成長を実感。センバツに向け、鬼に金棒ってわけです!

「今までとは違うことをやってきたわけだから、実際に試合でどんなプレーができて、どんな結果が出るか楽しみですね」と佐々木監督。

「センバツではしっかり油断せずに戦って欲しいですね」と平沢選手も後輩たちにエールをおくってくれました!


 仙台育英の初戦は3月22日(福井工大福井戦)。レッドコードトレーニングでつけた新たな力を武器に、センバツでどんなプレーを見せてくれるのか、ますます楽しみです!