U18(18歳以下)アジア選手権(9月1~6日、タイ・バンコク)に出場する高校日本代表が27日、奈良県内で近大と練習試合を行い、6-3で勝った。1、2年生主体の大学生に対し、2番手で登板した浦和学院(埼玉)小島和哉(3年)が4回1/3を3安打無失点の好投。逆転勝利につなげ、本番に向けて弾みをつけた。

 13年センバツを制したエースのプライドが垣間見えた。小島にとって7月15日に埼玉大会3回戦で県川口に敗れて以来、約1カ月半ぶりの実戦。先発高橋の後を受け、4回途中からマウンドに上がった。

 県大会で味わった悔しさをぶつけた。1、2年生中心ながら大学生を精密なコントロールと伸びのあるストレートで8回まで3安打、無四球で無失点。ネット裏で視察したスカウト陣をうならせた。「投げることを楽しみにしていました。超楽しかったです」。制球を乱して甲子園への道が断たれ、大粒の涙を流した左腕の姿はどこにもなかった。

 「目の前のことを受け入れられなかった」と敗退直後を振り返る。それでも下を向くことは決してしなかった。ライバルたちが聖地で活躍する中、新チームで打撃練習の投手を務めるなど下級生のサポート。日本代表入りを信じながら、1人黙々と汗を流し続けた。

 「高校野球は1回終わってしまいましたけど、こうして代表に選んでいただいて、もう1度チャンスをもらえて本当にうれしいです」。高校屈指の左腕が、悔しさをバネに成長した。