プロ野球では31人の1軍登録枠を勝ち取るため、その倍以上のファーム選手がしのぎを削ります。日刊スポーツ東北版では「犬鷲通信」と題し、楽天のファーム選手の現在地をリポートします。第1回は、今季3年目を迎えた坂井陽翔投手(21)。昨季1軍初先発の経験で得たもの、刺激になる存在、今季への意気込みなどを聞きました。
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今季の坂井はひと味違う。現在2軍で6試合(先発3試合)に登板、25イニングを投げ防御率0.72と好調だ。「最少失点で帰ってこられるというマインド部分の成長と、直球は去年までとは違うと思います」と自身でも成長を感じている。
昨季は10月4日の西武戦で1軍初先発を果たし、5回1失点の好投。「これから1軍で活躍するために必要なものが見えたマウンドだった」。元々、最速153キロの速球派だったが「カウントが取れる変化球が1つでもあれば…」と、先輩の滝中瞭太投手(31)から教わったフォークの精度に磨きをかける。
オフは母校の滝川二で自主トレ。スタミナ強化のための走り込みや上半身のウエートに注力をするなど、ひとり黙々と打ち込んだ。その成果もあり、最速は変わらないものの、球速のアベレージが上昇。長いイニングを投げても安定した投球が出来ている手応えを得ている。
同期への闘争心もエネルギーに変える。ルーキーイヤーの24年10月6日のオリックス戦で中継ぎデビューしたが、1軍先発登板は同期入団の大内誠弥投手(20)が昨年6月7日の巨人戦で一足先に踏んだ。「消化試合じゃなくて交流戦で投げさせてもらっていたので、いいなぁ…と。追いつけ追い越せで高め合っています」。ライバルとして意識しながらも、2人で一番食事にいく仲。「投手としてはタイプが違うので、お互いに気付いたことを言い合ったり、活躍していくためにはどうしたらいいとか話しています」と、欠かせない存在となっている。
3年目の今季はアピールを続け、好調1軍先発陣に食らいつく覚悟だ。「1軍での初勝利は必ず。まずこれをしないと5勝とは言えないので。いつ呼ばれてもいいように、活躍を続けたいです」。掲げた目標を達成させるためにも、ひたむきに腕を振る。【高橋香奈】
◆坂井陽翔(さかい・はると)2005年(平17)4月5日生まれ、兵庫県加古川市出身。滝川二(兵庫)では1年秋からエースで4番。3年春の県大会では準優勝も甲子園出場はなし。23年ドラフト2位で楽天入団。昨季1軍では10月4日西武戦で初先発し5回1失点。2軍では15試合、防御率6・06。今季推定年俸640万円。186センチ、88キロ。右投げ右打ち。



