打って勝って交流戦1位だ! 阪神が敵地でソフトバンクに打ち勝ち「日本生命セ・パ交流戦」1位浮上を狙う。8日の日本ハム戦が天候不良などで中止となり、福岡に移動。4連勝で貯金1とした和田豊監督(52)は、投打のバランスが取れてきたことに手応えを示した。ヤフオクドームで3連敗を喫した昨年日本リシーズの雪辱戦に、パ・リーグ首位の鷹を狩る!

 和田監督の表情には自信がのぞいていた。日本ハム戦が雨天中止となると「交流戦頂上決戦」へ向けて気持ちを切り替えた。相手はパ・リーグ、交流戦ともに首位を走るソフトバンク。猛虎にとっては何よりも、昨年、日本シリーズで敗れた相手だ。

 和田監督 昨年がどうのこうのとか、いろんなものを抱えないで真っさらな状態で試合をしたいと思う。心の中で(雪辱を)思うのは俺だけでいいし、選手たちは相手がどうのこうのではなく1戦1戦やっていく。リベンジするとすれば同じ舞台(日本シリーズ)で、ということだよな。

 なんと、指揮官から飛び出したのは日本シリーズでのリベンジ宣言だ。秋に真の意味での頂上決戦を迎えるためにも今は雪辱の思いを封印し、無心で戦うことを強調した。

 昨年は交流戦で2勝2敗も日本シリーズで1勝4敗と力を見せつけられた。ただ今の猛虎ならば…という期待は持てる。4連勝でついに貯金をつくり、交流戦では12球団2位につける。

 和田監督 交流戦前は打線になかなか火がつかなかった。どうしても点を取れない状態だったから。そういう意味では、今絶好調というところまではいってないけど、やっぱり動きらしきものが出ている。チーム状態としてはバランスがよく、いい状態で乗り込める。

 指揮官が好調の要因に挙げたのは打線だ。いまだチーム打率、得点、本塁打は12球団最低だが、鍵を握るマートンが前日の日本ハム戦で2打点を挙げるなど復調気配。エース・メッセンジャーの復調、藤浪の覚醒などで先発投手陣が安定しているだけに、投打のバランスが取れてきたのだ。

 敵地で勝ち越せば、交流戦首位。その先には初の交流戦1位も見えてくる。

 和田監督 ここで決まるわけじゃないんで、積み重ねていくしかない。借金とか貯金とか交流戦うんぬんとかいうものを抱えて試合に入りたくないんでね。とにかく1戦1戦という気持ちしかないよね。

 半年前、博多で味わった悔しさは胸にぐっと押しとどめ、今の自分たちの力をぶつけていく。【鈴木忠平】