日本が、ベネズエラにサヨナラ勝ちを収め、無敗のまま今日16日の準々決勝プエルトリコ戦に臨む。1点を追う9回1死満塁から暴投で同点。なおも満塁から中村晃外野手(26)の左前打で1次リーグ5連勝を決めた。小久保裕紀監督(44)はチームの結束に手応え十分。相次ぐ接戦を制し、準備万全で一発勝負に臨む。

 公言通りの5連勝で準々決勝進出。サヨナラ勝ちの余韻に浸ることなく、小久保監督は力強く宣言した。「明日の一発勝負に向けやろうとしたことは全部出来ている。全部勝ちにいくと言ってきましたが、もちろん明日も同じです」。

 1次リーグ5試合で2度のサヨナラ勝ちを含む逆転勝ち3回。世界の舞台で接戦を制し続けた。無敗での何よりの収穫は、侍たちの表情ににじむ「たくましさ」だ。「(1次リーグ)1位突破と言い続けてきたのは、選手の自信と落ち着きにつながるから」。負ければ終わりの戦いを前に、もっとも大きな糧となった。

 2日の集合日からちょうど2週間。総大将は、各球団の主力を束ねながら、チーム作りに専心してきた。打順の核を担う1番、3~6番は固定。2、7、8番は入れ替えを行い適性を見極めてきた。救援陣は、ここまで1人も連投させず状態を判断。控えに回った選手たちのベンチでの様子にも目を配り「後から出る選手も(スタメンで)出ている選手も、心の準備も含めてしっかりやれている。チームとしてみんな同じ目標に向かって進んでいく形が出来上がっている」。練習日だった13日にはブルペン捕手や打撃投手、スコアラーらと一緒に中華料理店で食事。欠かせないチームの一員たちへサポートへの感謝を伝え、結束を強めた。

 決戦Tへ腹は据わった。この試合、4回に嶋が送りバントを失敗する場面があったが「反省というより、明日は成功させるだけ」と言い切った。相手は強化試合で2連勝したプエルトリコ。「全く知らないチームよりは、2回対戦した相手なので。(強化試合は)いい材料になると思います」と引き締めた。初代王者を目指す大戦(おおいくさ)。準備万全、出し惜しみなしで突破する。【佐竹実】

 ▼日本は1次ラウンドを5戦全勝で通過。過去の五輪、WBCでは88年ソウル五輪(公開競技)、96年アトランタ五輪、00年シドニー五輪、09年WBCで4連勝しているが、今大会を含めた主要国際3大会で5連勝は初めてとなった。