キャプテンの1発で、チームの連敗を7で止めた。巨人坂本勇人内野手(27)が、1点リードの3回に8年連続2ケタ本塁打となる10号ソロを放ち、勝利をたぐり寄せた。10年ぶりに喫した大型連敗で、負ければ最下位の可能性もあった。苦しみながらも接戦をものにし、31日からオリックスとの交流戦に挑む。
お立ち台に上がる時、坂本は両手を上げた。巨人を愛する人々から心配されている。不振がどこまで続くのか-。バットで、大歓声に応えることで振り払った。「勝てなかったのでホッとしている」と言いながらも「高木にヒーローインタビューでちゃんと話せるように指導していきます」とジョークを飛ばす余裕も。まだチームは揺らいでいないことを姿で表現した。
7連敗でも萎縮しなかった。3回2死。阪神メッセンジャーのフォークが高めに浮く。逃さない。バットの芯で捉えた。「抜けたフォークにうまく対応できた」。14戦ぶりの1発で迷走していたチームを救った。
主将としてチームを、仲間を思う。「先輩にアドバイスをもらい、支えてもらい、前を向いてポジティブにやれた」。感謝を強調したが、連敗中、若手がどうしたら思い切ったプレーをできるか考え、積極的にベテランに助言を求めた。
そして「坂本勇人」は人を思う。4月、熊本地震が起きた。1カ月以上たった今も避難生活を続ける人もいる。何ができるのか。頭を悩ませた。
行動に移した。震災以降、サヨナラ勝利での儀式、ウオーターシャワーの自粛を提案した。13日のヤクルト戦で坂本自身がサヨナラ打を放ったが、水しぶきは上がらず、歓喜の輪ができるだけだった。
坂本 特別なことじゃないと思います。避難所で生活されている方もいますから。グラウンドで水を無駄にしている場合じゃないと思ったので。
思いやれる人間は強い。最下位の可能性もあった一戦で踏ん張った。高橋監督は「軸、リーダーとして期待通りと言えばそうだけど、まだまだ求めるものは高い」と高みを求めた。
交流戦に向け、坂本は「良い投手、打者は多いけどチーム力で勝てるように」と誓った。周囲を見渡しながら、巨人を堂々と引っ張っていく。【細江純平】
▼巨人が3回に重信の適時安打、坂本の10号で2点を挙げ連敗を7で止めた。巨人の7連敗以上は今回で13度目だが、新人のV打で7連敗以上を止めたのは初めてだ。また、坂本は09年から8年連続8度目の2桁本塁打。巨人の遊撃手で通算8度の2桁本塁打は広岡と二岡の7度を抜いて最多となり、チーム50試合目の10号到達は自身最多の31本打った10年の40試合目に次いで2番目のスピード。



