ソフトバンクが歴史的独走状態で交流戦に突入する。松田宣浩内野手(33)が同点の9回に決勝9号2ラン。チームは2位ロッテとの3連戦で3連勝。今季3度目の7連勝で、ゲーム差を6に広げた。数字が今季の強さを物語る。交流戦突入時の貯金18は史上最多、首位チームと2位との6ゲームも史上最大差、勝率7割超は球団初だ。明日31日からはセ界制圧に踏み出す。

 パ・リーグに敵なしと言わんばかりの松田の1発だった。3連敗を阻止しようとロッテは同点の9回に抑えの西野を投入。だが、無死一塁から、松田が高めのスライダーを左翼席へライナーでたたき込んだ。

 ベンチ前で右拳を突き上げ「熱男~!」と叫んだ。「左翼だけでなくホークスファンがたくさんいたのでよかった。本塁打という最高の結果になった。まさかここでファンのみなさんも打たないと思ったでしょうけど」と笑わせた。

 5月4連勝中の武田が7回、井口に同点2ランを浴びた。ロッテへ傾きかけた流れを再び引き寄せた1発は、13打席ぶりの安打だった。藤井打撃コーチから「1本足をもっと長く取ってみたら」とアドバイスを受けていた。結果が出ずに体が前に行きすぎていた。3打席目からは、かついで構えていたバットを右肩に近づけていた。ボールに対し、バットを水平にぶつけられるフォームに修正した。

 「その日その日で一番いい打撃をみつけていかないといけない。1つだと狂ってきた時に(別のフォームが)見つけられないので、2、3個持っていないと」。長いシーズンを乗り切るため、打撃の修正ポイントを松田はいくつも持っている。ヤフオクドームでは、ソフトボールをロングティーで打つ日もあった。柔らかく大きいゴム製のボールを飛ばすことで、バットでしっかり打球を捉える感覚を確認していた。

 2位ロッテに3連勝。今季QVCマリンでは無傷5連勝で、同球場での5連勝は03年以来だ。2位に6ゲーム差をつけ、31日から交流戦に入る。工藤監督は「交流戦も同じように勝っていきたい」と話す。松田は「交流戦優勝を目指していきたい」と、12球団勝率1位を約束した。強すぎるソフトバンク野球でセ6球団もなぎ倒す。【石橋隆雄】

<ソフトバンクの歴史的独走交流戦突入(48試合31勝13敗4分け)>

 ◆史上最多貯金 ソフトバンクは今季最多の貯金18。これまで交流戦開幕を迎える時点での最多貯金は05年ロッテが記録した16(24勝8敗)で、これを塗り替えた。

 ◆史上最大ゲーム差 2位ロッテとは6ゲーム差。交流戦開幕を迎える時点で、首位と2位の最大ゲーム差は5(05年中日、08年西武)が過去の最大ケースだったが、こちらも更新。

 ◆球団初の勝率7割超 ソフトバンクは勝率7割5厘。交流戦突入時での最高勝率は05年ロッテの7割5分。この更新はならなかったが、ソフトバンクは勝率7割超で交流戦を迎えたことがなく、今回が初めて。