中日が2位浮上の会心勝利で貯金1とし、交流戦に向かう。3番リカルド・ナニータ外野手(34)が先制V打に2号ソロの2打点。4番ダヤン・ビシエド外野手(27)も14号3ランを放ち、初のアベックアーチを決めた。打線のカギを握る2人が状態を上げた竜が、明日31日からソフトバンクとの3連戦に挑む。

 中日の両助っ人が交流戦前にエンジン全開だ。3番に座るナニータが1回に決勝の先制打、3回に2号ソロと爆発すれば、7回には4番ビシエドが14号3ランを放ってダメ押し。投打ががっちりかみ合った快勝。貯金1で節目を終えた。

 化学反応を起こしたように初のアベック弾が飛び出した。まずナニータ。打率3割1分7厘のヒットメーカーは初回1死二塁であっさり左前へ。打線に勢いをつけると3回には来日2年目で2本目のアーチを右中間へズドン。「長距離打者じゃないからね。いい当たりだったけど、一番深いところだったから一生懸命に走ったよ」と笑わせた。

 お株を奪われた? 主砲も黙っていない。前日に左肘に死球を受け途中交代。影響が心配される中、来日後初めて肘当てを装着し、2点リードの7回にバックスクリーンへぶち込んだ。

 「たまっていたものがあったけど、いい感じで打てた。昨日の死球で目が覚めたのかもね」と12試合ぶりの感触を楽しんだ。来日中のアナイ・モリーナ夫人の前では初の1発。先輩助っ人と初めて一緒に上がったお立ち台では、何度も大歓声に手を振った。

 7歳上のナニータとは打撃フォームや相手投手の助言をし合っている。この日も試合中に助言を受け、直後に待望の14号が出たという。2人に連日指導を続けている谷繁監督は「ナニータは状態が上がってきたね。ビシエドも1本出て気持ちが楽になればいい」とホッと一息。助っ人コンビは「交流戦でセ・リーグの力を見せたい」と口をそろえた。チームは2位浮上。勢いづいた強竜打線が、博多で王者ソフトバンクにぶつかる。【柏原誠】