ルーキー右腕の初星を消すわけにいかない。台所事情が苦しい阪神の必勝リレーは土壇場で立ちはだかった。2点リードの9回、代役守護神の藤川が踏ん張った。2死一、三塁でウィーラーにファウルで粘られたが最後はフォークを落として空振り三振。今季2セーブ目を挙げて、青柳にウイニングボールを手渡した。
緊迫した流れで必死に耐え「青柳の初勝利、おめでとうございます」と祝った。プロのスタートを切ったばかりのサブマリンの芽を摘むわけにいかなかった。チームにとっても、大きな1勝だ。開幕から抑えを務めていたマテオが右肩関節炎で戦線離脱中。経験豊富な藤川に代役として白羽の矢が立ち、起用に応えた。
楽天打線の勢いを断ったのはドリスだ。2点差に迫られて迎えた8回にマウンドへ。先頭中川を追い込むと、152キロのシュートで空振り三振。150キロ台を連発し、3者凡退。蓄積疲労で2軍降格したが前日5月31日に1軍再登録されたばかりで、復帰初戦から快投だ。「久しぶりだったけど空いた感覚はなかった。緊張もなく、力強い球を投げられたよ」。同17日中日戦(甲子園)以来の1軍戦で鮮やかな再発進だった。
仙台入りした同30日夜、球児はドリスらとステーキに舌鼓を打った。開幕から2カ月がたち、異国で奮闘する盟友をねぎらう。香田投手コーチもドリスに「出すときは、ちょっと心配したけど、いい球を投げていた。ちょっと安心した」と胸をなでおろす。もがきながら勝利の方程式を探る。



