これが4番だ! 日本ハム中田翔内野手(27)が10号逆転満塁本塁打で勝利に導いた。3点を追う6回1死満塁、甘く入った直球を豪快に左翼席へ運んだ。2戦連発で6年連続2桁アーチとなり、打点はリーグ単独トップの49打点目。ヤクルト山田の3ランで勝ち越された劣勢を、価値ある自身通算3本目の満塁弾でひっくり返した。

 4番の意地が詰まった打球に場内が総立ちになった。中田が節目の1発を、ド派手にかました。3点を追う6回1死満塁。「自分を信じて打席に入りました」。力みなく振り抜いて放った放物線は左翼席で弾んだ。2試合連発、逆転の10号は6年連続2桁に加え、自身3本目の満塁本塁打だった。「気持ちよかった」という札幌ドーム初のグランドスラムで勝利を決めた。

 屈辱を晴らした。2回1死満塁で二飛。4回1死二、三塁では、一塁が空いていながら相手バッテリーに勝負を選択され三直に倒れた。「ぶざまな、情けない打撃。満塁本塁打までは、情けないのひと言」。自分自身への痛烈なダメ出しを発奮材料に変えた。「意地でも打ってやろうと。最高の形となって良かった」。挽回のチャンスに結果を出した。

 プロ9年目。4月には27歳となり、より体調を気遣う食生活に変えている。若手時代は好物の焼き肉が多かったが、最近では鍋料理がお気に入り。栄養素が豊富な野菜を多く摂取でき、疲労する肉体にも優しいメニューが勝負飯だ。タレはポン酢が中心だが、ゆずこしょうなどで味を変化させながら飽きが来ない工夫もしているという。

 日本ハムでもプレーした中日落合GMも、現役時代は鍋料理での栄養補給を好んでいた。中田も同じメニューへたどり着いた。お酒を飲んでも、シメの定番だったラーメンに興味も示さなくなったという。「試合に集中して、出来ることをやっていきたい」。グラウンド外でも野球を、チームの勝利への貢献を第一に考えている。

 栗山監督は「感動しました。感動は推進力となる」とたたえた。これで5月22日楽天戦(札幌ドーム)から、チームが勝った5試合連続で勝利打点を挙げている。中田は「一気に打点も4。うれしいけど、それプラス、チームも勝ったので良かったね」。49打点は両リーグでトップに立った。自らの打点でチームを勝たせる。そんな理想を体現する主砲は、やはり頼もしい。【木下大輔】

 ▼中田が6回に逆転満塁本塁打。中田の満塁本塁打は14年7月25日楽天戦、15年4月5日オリックス戦に次いで3本目となり、逆転満塁弾は14年楽天戦以来2本目だ。これで6年連続2桁本塁打となったが、今季の10本はソロ3本、2ラン3本、3ラン3本、満塁1本。走者を置いての1発はパ・リーグで最も多い。また、中田の今季V打点は9度目。こちらはエルドレッド(広島)デスパイネ(ロッテ)の8度を抑え両リーグ最多で、日本ハムの勝利試合は5月22日楽天戦から5試合連続で中田がV打を放っている。