手痛いミスを糧に、故郷から再び力強く歩み始める。阪神高山俊外野手(23)がオフだった6日、鳴尾浜の屋内施設でバント練習に汗を流した。前日5日の西武戦では送りバントを失敗。甲子園で味わった悔しさを忘れることなく、今日7日の「日本生命セ・パ交流戦」ロッテ戦(QVCマリン)から地元・千葉で出直しを図る。

 午前中の鳴尾浜の屋内施設に「コーン、コーン」という打球音が響いた。しばらくすると音が鳴りやみ、施設から姿を見せたのは高山だった。「昨日やったことは取り返しがつかないんで」。いつもクールな男が、悲愴(ひそう)感を漂わせていた。5日の西武戦。守備では打球処理にちゅうちょして後逸。打撃でも終盤に送りバントを失敗した。攻守でスーパールーキーらしからぬミスを犯した西武戦から一夜明け。15分間、バント練習に黙々と取り組んだ。

 チームは59試合を消化した。高山は57試合出場。安打数は58本とチーム2位で、スタメンに名を連ねることが当たり前になりつつある。それだけに金本監督は前日、「レギュラーとして信頼ある選手になっていくには今日みたいなプレーは絶対にやらない」と高山を突き放していた。

 高山 悔しいというよりかは投げている投手に申し訳ないです。監督、チームにも申し訳ないです。

 思いの強さは言葉にもにじんだ。オフだったこの日、反省を形に変えた。今日7日からは千葉→札幌とビジター6連戦。パ・リーグ上位球団との直接対決に厳しい戦いが予想されるが、千葉は高山の故郷。気持ちの切り替えには、もってこいの舞台だ。だが、当の本人は「切り替え」という言葉を使わなかった。

 高山 切り替えるという表現は自分が使うのはおかしい。それでも試合で使ってもらえるように思い切ってやらないとダメなんで。今から切り替えてとかはないです。

 押しも押されもせぬレギュラーとなるため、ミスを受け止め、この先の戦いで同じ過ちを繰り返さないという覚悟を固めている。打撃では日々タイミングの取り方を変えるなど試行錯誤。この探求心と、期待に応えたい気持ちが高山を突き動かしたに違いない。

 札幌では大きな敵との対戦が予想される。12日の日本ハム戦は大谷の先発が濃厚。「全然考えていない。そんなことよりもまずは自分のこと」。今考えているのは、日本球界最速の163キロをマークした右腕との対決より目の前の一戦。故郷の千葉で、高山なら痛恨のミスからはい上がってくるはずだ。【山川智之】