二塁打3本、菊池も神ってる! 広島菊池涼介内野手(26)が2点決勝適時二塁打を含む3安打3打点で先発黒田博樹投手(41)を援護し、日米通算200勝まであと1勝に導いた。チームも84年以来、32年ぶりの11連勝。お立ち台では「元祖・神ってる」鈴木の決めぜりふを奪い「最高です!」と絶叫。チームの勢いはとどまるところを知らない。

 バットがしなった。菊池らしい逆方向への打球が、真っ赤な声援をうけて加速していった。1点を追う3回1死満塁。真ん中に入ってきた直球をジャストミート。「黒田さんが必死に投げてくれていた。何とかしたいと思いつつ、割り切って思い切りました」。先発黒田を援護する逆転の2点適時二塁打だった。

 今季、黒田の先発試合では60打数20安打で打率3割3分3厘、1本塁打、10打点。守っても好守を連発する。「いつも通り入ってますよ」と笑ったが、取材を受ける黒田を遠巻きに「(援護している)みたいですよ、黒田さん!」と無邪気に笑って念押しした。お立ち台では「黒田さんも若くないので、次も勝たせてあげたい」と満面の笑み。まるで弟のように屈託なく笑う。2人の間には、心地よい空気が流れている。

 チームも84年以来、32年ぶりの11連勝を決めた。緒方監督の就任時に、丸とともにチームリーダーに指名された男は言う。「普通にやれている。それが一番なんじゃないかな」。異常な高揚も、過度に冷静なわけでもない。目の前の一戦を全力で戦い、喜びを共有する。24年間優勝していないチームだ。恐怖感や申し訳なさまで抱くファン心理を、吹き飛ばしている。

 お立ち台では「元祖・神ってる男」鈴木の決めぜりふをまねて「誠也ゴメンね。最高です!」と絶叫した。緒方監督は「今日はクロ(黒田)。でも小さくても付け加えてもらえるなら、キク、広輔、新井の守備からの流れ、石原のリードも」とたたえた。神ってる広島は止まらない。真っすぐに進んでいく。【池本泰尚】