ついに、ソフトバンクに優勝マジックが点灯した。同点の9回2死一、三塁で、松田宣浩内野手(33)が決勝の三塁打を放った。右手薬指を骨折した柳田を欠く中、8回に3点リードを追い付かれる厳しい展開になった。だが、代役で「3番センター」に入った江川が反撃の好機をつくるなど緊急オーダーが機能した。9度目の挑戦で、ようやくマジック20がついた。
お祭り男が、足踏みが続いていたマジックをつけた。6-6で迎えた9回表2死一、三塁。松田は、楽天松井裕が投じた外へのチェンジアップをとらえた。打球は右中間を破る決勝の2点適時三塁打。8月6日から9度目の挑戦でついにマジック20が点灯した。
「8回に同点に追い付かれていたので、とにかくつなぐつもりだった。ここまで時間はかかったが、マジックをつけたのは事実。1回も消さないように、1つずつ消していきたい」
不穏な空気を振り払う大きな勝利だった。前日1日に柳田が右手薬指を骨折。全治6週間と診断され、この日は3番の代役に江川が座った。松田も過去に何度も骨折で長期離脱を経験している身。14年には右手人さし指末節骨を骨折しており、柳田の気持ちは痛いほど分かっていた。
前日、柳田から「ボールが当たった直後から吐き気がした(くらい痛かった)」と聞いた松田は「時間がたつまで我慢するのが大事。ケガは時間が解決してくれる」と、アドバイスを送った。柳田の穴を埋めなければいけないという責任も当然感じていた。
「誰が離脱してもマイナス。ギータがいないのは大きいが、そんなことは言っていられない。本人が一番悔しいと思うが、勝つことでギータも立ち直ると思うし、残りのメンバーで優勝するしかない」
この日は、チーム一丸を象徴するような得点シーンが続いた。4回、江川、内川の連打で同点に追い付き、吉村の適時打で勝ち越すと、再び1点ビハインドとなった6回には松田、明石、吉村の3連打で2点を奪い再逆転。さらに7回は1死満塁から内川が中前2点適時打。そして最後は松田が決めた。
工藤監督は「(打線は)負けられない思いがあるが、気持ちを静めた状態で投手に向かってくれている」と、打線を評価し「(マジックは)そのことよりも、毎日、一生懸命やるので精いっぱい。1日1日、その日を精いっぱいに戦うだけ」と、目の前の1試合に目を向けた。
約1カ月かかってようやく点灯させた優勝マジック。2位日本ハムに1・5差をつけ、いよいよV3へのカウントダウンが始まった。【福岡吉央】
▼ソフトバンクに優勝マジック20が点灯した。日本ハムは残り21試合に全勝した場合、94勝48敗1分けで勝率6割6分2厘。ソフトバンクは残り22試合のうち日本ハム戦2試合に敗れても、他カードで20勝すれば92勝46敗5分け、勝率6割6分7厘となり、日本ハムを上回る。2位以下の5チームに自力Vがなくなり、マジックが出た。現日程での最短Vは15日。
▼昨年の工藤監督は就任1年目でV。新人監督の優勝は18人いるが、翌年も優勝は36年秋、37年春の藤本監督(巨人)86~88年森監督(西武)だけ。工藤監督が史上3人目の監督1年目からの連続Vに近づいた。



