西武中村が今季2度目のおかわり弾で、球団史に名を刻んだ。4回に外角高めの変化球を右翼席に運ぶ19号ソロ。5回には20号ソロをバックスクリーン右にたたき込み、清原の持つ球団本塁打記録の329本に並んだ。チームを今季最多19安打での快勝に導き、「(記録に並べて)光栄です。本塁打を期待されていると思うので、これからも何とか積み上げていけたら」とうなずいた。

 15年目の今季は本来の打撃が影をひそめ、不振での登録抹消も経験。「チームが勝てないのは自分が打てないから」と責任を背負い込んだ。不調から脱却するため、フォームの改良にも着手。2軍では、これまでよりも重心を右足に乗せ「軸足1本で回るイメージ」で振り込んだ。さらに3日ロッテ戦からは上半身を脱力させ、試合前練習から「下半身だけで振る意識」のスイングに努めた。

 その試合から4戦4発ときっかけをつかみ、9度目の20本塁打到達。「納得はしてないですけど、何とか20本は打つことができた。残り試合も最後まで、いい打撃をしていきたい」と力を込めた。おかわり君にとって329本は通過点。希代のホームランアーチストは、これからも放物線を描き続けていく。【佐竹実】