ソフトバンクが連敗を2で止め、首位を死守した。1点リードの8回1死一塁で投入された岩崎翔投手(26)が反撃を断ち、9回の守護神サファテにつないだ。工藤監督がラストスパートに向けたブルペン強化の要員に期待する右腕を、今季初めて8回に起用して救援成功。2位日本ハムの猛追を受ける勝負の9月戦線も、3連覇まで逃げ切る。

 激闘のペナントレースを制するために、工藤監督が勝負手を打った。1点リードの8回表1死一塁。投入したのは、岩崎だった。今季は先発やロングリリーフの起用が中心。3点差以内でリードしている8回に登板するのは、今季初だ。オリックスの安達、吉田正をフライアウトで仕留め、サファテにバトンを渡した。

 工藤監督 ランナーが出れば、考えていた。フォークに、球威もあるほうがいい。(連戦は)まだ4試合残っている。疲弊しないように、うまく回していかないと。

 昨年は盤石を誇ったリリーフ陣だが、今季は不安定な状態が続く。負け数はサファテ7、スアレス5、森3。この3人は登板数も50試合前後で疲労の蓄積が見られる。この状況で、岩崎を1日の西武戦からブルペンに組み込んでいた。「1日休めば、違う。シーズン最後までいい状態にするにはね。(終盤に)8連戦もある」。日本ハムとの激闘は最終盤まで、もつれる可能性がある。セットアッパー起用は、指揮官が温めていた秘策だった。「必要とされるところでがんばるだけ」。そう話していた右腕が勝利を呼び込んだ。

 この1勝は大きい。4連敗中のオリックス戦が、この日も含め6試合残っていた。「みんな、元気な状態にしてあげたい。(岩崎に)なってもらおうと」と工藤監督は言った。野手は内川や長谷川、中村晃が満身創痍(そうい)で戦っている。得点力の低下は避けられない状態だ。投手陣も総力戦で臨むしかない。引き分けの日本ハムとは1ゲーム差。今後に光りをもたらす岩崎の力投だった。