やられてばっかりじゃ、つまらない。阪神北條史也内野手(22)が9回、巨人沢村から左翼席へ意地の今季3号ソロをぶち込んだ。プロ入りから4年かかってたどり着いた甲子園1号アーチに北條の成長がみえた。巨人には今季聖地で開幕から1分けを挟んで8連敗。屈辱の戦績をこれ以上重ねるわけにはいかない。今日こそG倒! 北條が先頭に立つ。

 このまま終わってたまるか-。若虎の思いが最後にさく裂した。2点を追う9回2死走者なし。北條は巨人の守護神沢村が投じた初球148キロ直球を振り抜いた。白球は弾丸ライナーで左翼ポール際に着弾。3号ソロで、帰路に就く虎党の足を止めさせた。

 「ファンの人の歓声とか良かったと思います。弾道が低かったんですけど、感触は良かったです」

 光星学院(現八戸学院光星)3年夏、2打席連続を含む4本塁打を記録した甲子園で、やっとプロ1号。8月13日中日戦(京セラドーム大阪)以来の手応えだ。それまで4打席は無安打だったが最後に見せた意地。「その日最終打席になるかもしれない打席は、集中しています」。金本監督の信頼も厚くなる一方で、7月24日広島戦から37試合連続スタメン出場中。遊撃では21試合続けて先発出場とキャプテン鳥谷に代わり、虎の北條として新たな伝説が始まろうとしている。

 先月30日、ナゴヤドームでの中日戦。北條のファンを公言する、リオ五輪女子レスリング69キロ級金メダリスト土性沙羅が試合観戦に訪れていた。2人は、土性が7月20日に甲子園を見学した際に、北條が記念撮影に応じた間柄。ともに94年生まれの同学年で、最近ではチームメートや球団スタッフから、いじり交じりでカップルに推薦する声も増えているようだ。北條は「いやいやいや、僕なんて。他にいい人いるでしょ」と照れ笑い。野球が五輪種目として復活する20年東京五輪では“共演”も期待されるが「僕は1年1年やっていくだけなんで。選ばれたらいいですけど、先のことなんでまだまだ」。着実に階段を上がり恥ずかしくない実績で同じ舞台に立つつもりだ。

 4年目でブレークした背番号2には、新人王の資格もある。「いやいや絶対高山さんでしょ(笑い)。数字がついてきたらいいですけど、こだわりはないですね」。規定打席に達した同僚高山が最右翼だが、北條の活躍のインパクトも十分。もしかすれば…。超変革の名のもとに、若虎が着々と成長を遂げている。【梶本長之】