リードオフマンが楽天打線に火を付け、先発全員安打の13安打9得点で日本ハムに快勝した。1回に先制されたその裏、1番の岡島豪郎外野手(27)が6号先頭打者アーチを放つと、続くフェリックス・ペレス外野手(31)の2者連続弾で一時勝ち越した。2-2の同点とされた4回には、ペレスの勝ち越し打など4安打4得点。6回にも3安打3得点と効率的な攻めで首位を圧倒し、チームの連敗を3で止めた。

 岡島の一振りが、重苦しいムードを打ち消した。1回に先制されたその裏、カウント1-1から左腕加藤のスライダーを捉えた打球は、右翼スタンドに吸い込まれた。2試合連発に「変な気分です」と自身も驚いていたが、リードオフマンとしては「(先制され)あのままだとズルズルいってしまうような気がした。何とかしたいと思っていた」と責任を全うした。岡島の1発が、続くペレスの2者連続弾を呼び込み、打線にも火を付けた。

 復調を遂げつつある。10日の試合で、8月3日以来の1番を任され本塁打を含む2安打。11日の安打は初回の1発のみだったが、岡島は「四球を2つ取れたのが一番大きい」と言う。打席でしっかりとボールを見極められていることで、自分のタイミングで迷いなくバットを振ることができる。梨田監督も「春先の勢いのある打球に戻ってきた」と称賛。不調時でも早出特打を怠らなかった成果が、結果に表れてきた。

 開幕から危機感を持ってプレーしてきた。6月まで3割をキープ。リードオフマンの役割を果たしていても「打たなければ、他の選手にポジションを奪われる」と、自分に言い聞かせてきた。後半戦に入ると快音が途絶え、島内やペレス、ペゲーロの新外国人が結果を残した。代走や守備固めが増えたが、それでも焦らず、先発投手のキャッチボール相手などを率先して買って出た。「ベンチでじっとしていると体が固まってしまうので、動かしたほうがいい」と試合に集中する方法を考え、実践した。

 リードオフマンの1発で打線が活気づき、先発全員安打の13安打9得点で連敗を3でストップ。梨田監督は「一昨日、昨日と点を取れずにやられたから、打線で結果が出たのはよかった」と、試合を総括した。やられたままでは終わらない。残り18試合。逆襲のチャンスはまだある。【田口元義】