歓喜の瞬間まで、あと1歩だった。1点を追う9回裏2死二、三塁。1番江川の大飛球に、ソフトバンクベンチは総立ちになった。抜ければ、逆転サヨナラで3連覇に大前進。夢を乗せた打球は陽岱鋼にキャッチされた。

 惜敗で、首位陥落。それでも誰ひとり、下を向いていなかった。工藤監督は「何とかしようという声がベンチに響いていた。負けはしたが、1つになっている。相手もそうだが、うちはうちの一致団結で崩していく。明日につながる9回の攻撃だった」とナインの思いを代弁した。

 先発大谷に対し、早いカウントから積極的にバットを振った。1得点だけだが、チャンスは作った。最終回も攻めの姿勢を貫き、先頭長谷川の二塁打から1死二、三塁と追い詰めた。

 決して劣勢ではない。今日22日は勝った方に優勝へのマジックが点灯する。工藤監督は「みんな、元気に、声を絶やさなかった。泣いても笑っても、残りは10試合の状況で、1試合の大切さを分かっていることが、僕にとってもうれしい。このいい雰囲気で、明日も臨めたらいい」。一夜明け、勇気ある敗者たちがやり返す。【田口真一郎】