社会人NO・1右腕が、ヤクルトのドラフト1位候補に急浮上した。4日、都内の球団事務所で20日のドラフト会議に向けた編成会議を行った。衣笠球団社長、真中監督を交え、候補選手の映像を確認。最上位候補に4人を位置付け、中でも東京ガス・山岡泰輔投手(21=瀬戸内)の評価が高いことが分かった。

 リストアップした上位候補は15人程度。さらに山岡、履正社・寺島成輝投手(3年)、桜美林大・佐々木千隼投手(4年=日野)、創価大・田中正義投手(4年=創価)の4人は、ワンランク高い位置付けにある。山岡は身長172センチと小柄ながら、150キロ近い伸びのある直球にスライダー、シンカーなど多彩な変化球が持ち味で、即戦力の呼び声が高い。前日3日は、DeNAとの練習試合に先発。ヤクルトは小川SD(シニアディレクター)を筆頭にスカウト全員で視察した。3回を11安打5失点と打ち込まれたが、鳥原チーフスカウトは「勝負する気持ちもいいし、直球のキレがいい」と評した。寺島、佐々木、田中はいずれも競合必至とみられ、山岡で単独指名の可能性も探っているようだ。

 チームは昨季14年ぶりにリーグ優勝を果たしたが、今季は5位でCS出場を逃した。先発陣は石川、小川の8勝が最高で、チーム防御率はリーグワーストの4・73。真中監督も「やっぱりピッチャーが試合を作らないと始まらない。ドラフトでも1位は投手でしょ。高卒だとしても、6月くらいに1軍で投げられるような力を持っていれば構わない。とにかく力のある投手」と話しているように、シーズンを通して活躍できる先発投手の獲得が最優先事項となる。ドラフト本番まで、スカウト会議はあと2回を予定。吟味を重ね、最終的な絞り込みを行う。

 ◆山岡泰輔(やまおか・たいすけ)1995年(平7)9月22日、広島市生まれ。小2でソフトボールを始め瀬野川中では軟式野球部に所属。瀬戸内(広島)では3年夏の県大会決勝で広島新庄の田口麗斗(現巨人)と延長15回を投げ合い、引き分け再試合で勝って甲子園に出場。高校日本代表としてU18W杯に出場。14年に東京ガス入社。家族は両親、妹。172センチ、66キロ。右投げ左打ち。