日の丸でも神ってる! 侍ジャパンの鈴木誠也外野手(22)が代表1号となる決勝の満塁弾を放った。8-8の同点で迎えたタイブレークの延長10回1死満塁で左翼スタンドに運んだ。7回にも2点適時二塁打を放っており6打点と大暴れ。シーズンで発揮した勝負強さを見せつけた。
低く、鋭い弾道。これが鈴木の1発だ。打球は落ちる気配もなく、そのまま左翼スタンドに突き刺さった。「緊張で吐きそうでしたけど、良いイメージで打席に入れた」。タイブレークの延長10回1死満塁。バント失敗や四球で揺らいでいた流れも、「神ってる」鈴木にとっては味方だった。
シーズンでは3戦連続決勝弾など無類の勝負強さを発揮した。日の丸を背負っても同じだった。7回にも2点適時二塁打を放ち、6打点の荒稼ぎ。決めぜりふの「最高で~す!」もお立ち台で絶叫した。小久保監督も「収穫は鈴木誠也。WBC球でも対応出来た。最初は硬かったが、勝負強さが出た」と野手で唯一、名前を挙げて絶賛した。
鈴木には刺激だらけだった。「動く汚いボールとか、セットで止まらないとか」と国際大会ならではの投手に四苦八苦。それでも内川や稲葉打撃コーチなどにも自らアドバイスを求め、早いカウントから手を出すなど対応。「よくない打席も多かった。経験出来たことは大きい」。来春のWBC本大会に向けても「選ばれた時にはもっと活躍したい」と意欲を見せた。
来春へ成長曲線も大きくなる。今大会では同学年の大谷を密着マーク。「ウエートを一緒にやったんですけど、体がバッキバキ」。「翔平くんと同組でフリー打撃です」。「彼は化け物です」。「ベンチの中でもスイング音が聞こえてくる」。目を輝かせて「雲の上の存在」を追った。ホテルの部屋まで押しかけた。「それだけのことをしている。自分もやらないと」。刺激にするには十分だった。
4試合で打率も3割1分3厘をマーク。侍ジャパンにニューヒーローの誕生だった。だがそれでもリュックを背負い、バットを両手で握りしめてグラウンドを去った。今日も素振りで、1日を終える。【池本泰尚】
◆今回の強化試合のタイブレーク 9回終了で同点の場合、10回からタイブレーク制。無死一、二塁から攻撃を始め、打順は9回終了時から引き継ぐ(走者は各回先頭打者の直前2人)。12回で決着がつかなければ引き分け。



