これがオレの選択肢!? ソフトバンク和田毅投手(35)が来春1月の自主トレを福岡・筑後市の球団ファーム施設で行う考えを明かした。日米合わせてプロ通算15年目の節目のシーズンスタートは初心に帰るとともに、若手の「先生役」も務める構え。移動にハイヤーを利用する合理的な計画も立てている。

 日本復帰1年目から15勝を挙げ、いきなり最多勝と最高勝率のダブルタイトルを手にした左腕和田が、17年シーズンを見据えたプランを明かした。

 「自主トレは筑後(ファーム施設)でやろうと思っています。施設も充実していますしね」

 経験も実績も申し分ないサウスポーだが、自主トレにのんびり温暖な地で…という選択はない。自宅がある福岡市から筑後市までは高速道路を利用して車で約1時間。事故などのリスクを考えて期間中のハイヤー利用も検討しているほどだ。「目いっぱい練習して疲れても自分で運転するわけじゃないので、安心ですし、どれだけ疲れてもいいですからね」。ランニング量などチームでもNO・1の練習量を誇る和田だけに、往復2時間以上の通勤時間も睡眠や体力回復にも利用する考えだ。

 日本復帰1年目でしっかりタイトルを手にしたが、成績に満足しているわけではない。「今年は最後に疲れが出て…。来年は投球回数180イニング(今年は163回)を目標にします」。さらなる高みを目指すベテラン左腕は若手の教育にも大きく胸襟を開くつもりだ。

 「(新人の)合同自主トレは邪魔しないようにしますけど、若い選手も練習しているだろうから、いろいろと話せたらいいと思います」

 シーズン終了後もヤフオクドーム、ファーム施設などで練習を継続中。日米通算127勝左腕が来季もチームにとって頼もしい存在であることは間違いない。【佐竹英治】

 ◆筑後通い ヤフオクドームからタマホームスタジアム筑後まで、福岡高速、九州自動車道を経由して63キロ。約1時間の道のり。一般のタクシーを利用すれば片道約2万円で、高速料金は1800円。往復で1日約4万3600円。