環境にやさしい野球場を目指そうと、ナゴヤドーム(名古屋市東区)がシート型の太陽電池をドーム屋根に設置する。費用は約10億円で2017年完成予定。ドーム型球場での太陽光発電は世界初という。

 ナゴヤドームは東日本大震災をきっかけに、環境に配慮した取り組みを続けており、太陽光発電もその一環。

 屋根には、太陽電池シート計1152枚を敷く。年間発電量は毎時約6万2000キロワットで、プロ野球の試合6~7試合分に相当する電力量。ナゴヤドームの敷地全体を森林にした場合と同等の二酸化炭素(CO2)削減効果があるという。

 電池シートは曲げられるため、曲面になっているドーム屋根にも設置しやすいのが特徴。1平方メートル当たり約3キログラムと軽量で、設置のために補強工事の必要もない。

 6月4日から足場や落下防止柵の設置など準備工事が始まった。夏はドーム屋根が高温になり、冬は露で足元が滑りやすくなることから安全を考慮し、工事は春と秋に行う。工期を全7工程に分け、完成した部分から順次発電を始め、全て中部電力に売電する予定。

 ナゴヤドームではこれまでに、自然採光屋根や蓄熱式空調システムなどを導入。広報担当の伊藤麻生さんは「今回の太陽光発電で環境活動をさらに推進し、地域に貢献できればいいと思います」と話している。