<ヤクルト6-2巨人>◇28日◇神宮
高田チョロ9野球が全開発進した。セ・リーグが開幕し、ヤクルトが単打や足技でコツコツと得点を重ね、因縁の巨人に6-2で逆転勝ちした。巨人に移籍した昨年の4番ラミレスに先制アーチを打たれたが、そんなの関係ねえとばかりにラミレスの弱肩を突く走塁など機動力で翻弄(ほんろう)した。広くなった新生神宮球場を生かした高田繁新監督(62)のスモールベースボールが、桜前線とともに開幕から満開となった。
降りしきる雨をはじき飛ばして走り回った。ヤクルトのスモールベースボールがビッグベースボールを翻弄した。1発こそないが、巨人を上回る10安打に足技を絡めた攻撃で、大型補強をした強力打線の相手を粉砕した。キャンプ、オープン戦から機動力を中心としたチームづくりを行ってきた高田監督は「うちが勝つにはこういう試合しかない。うちにとっては最高の試合」。東京地方の桜の満開宣言に続き、ライトスタンドでは名物の傘の花が開き、初采配を白星で飾った同監督の顔に自然と笑みがはじけた。
2回表、昨年まで同僚だったラミレスに先制ソロを打たれたのが反撃へののろしとなった。その裏の攻撃で、難のあるラミレスの守備を足で突いた。2死一、三塁から、一塁走者の川島慶は田中の浅い左中間へのヒットで迷うことなく三塁へ進塁。4回2死二塁でも、田中は浅い左翼線寄りの打球を全力疾走で二塁打とした。5回2死二塁では、二塁走者宮本が浅い左前打で、躊躇(ちゅうちょ)することなく三塁ベースを蹴って貴重な追加点となるホームを踏んだ。4回2死から二盗を決め、田中の左前打で効率よく生還した川島慶は「試合前に(ラミレスの)シートノックも見ていたし、今年はそういう野球をやっていかないとダメだから」としてやったり。高田監督も「そこ(ラミレス)がねらい目だから。ミーティングでは話していないけど、みんな分かっているし、積極的に行ってくれた」と、ラミレスの穴を突いたことを勝利の一因に挙げた。
昨季は21年ぶり最下位。新生ヤクルトにとって、シーズン144分の1の試合を勝ったのとは意味が違う。チームの目指す形でコツコツと得点を積み上げ、巨人から白星を奪った価値は大きい。試合後、明大の後輩でもある星野北京五輪日本代表監督から祝福を受けた高田監督も「チームへ勢いを付けないといけないという意味でも、今日(の勝利)は本当に良かった」。昨季の4番(ラミレス)を“奪われた”思いも払しょくし「スモールベースボール」が大きく見えた。
試合前の円陣で「セ・リーグを引っかき回して、最後に1番上に立てるように頑張っていこう!」と、ナインを鼓舞した主将の宮本は「(開幕3連戦)3つ取りたいと思っているし、また明日」と言った。29日の巨人先発はグライシンガーの予定。今度は昨年のヤクルトのエースに襲いかかる。【松本俊】




