<楽天3-4西武>◇20日◇Kスタ宮城
長尺バットで両リーグ10号一番乗りだ。西武の新外国人クレイグ・ブラゼル内野手(27)が、楽天田中の立ち上がりをとらえ、先制2ランを放った。愛用する34・5インチ(約88センチ)ある長尺バットでバックスクリーン右にたたき込んだ。その後は4三振もフルスイング。豪快な1発がチームに流れを呼び込み、延長10回で競り勝った。今季ホームで8戦全勝中だった楽天の連勝を止め、単独首位をキープした。
チャンスは1球しかなかった。その失投を、ブラゼルは確実に仕留めた。1回2死二塁。楽天田中の初球、真ん中に入ってきた直球をフルスイング。滞空時間の長い飛球は、追い風にも乗ってバックスクリーン右のスタンドに届いた。「バットの芯は外れたけど、風に助けられたよ」。豪快な先制2ランで、不敗神話を信じた満員のKスタ宮城を静まり返らせた。
24試合目で10号到達は両リーグで一番乗り。2位のオリックス・ローズ以下に3本差をつけてキングを独走するが、本塁打に関する質問は通訳を介してシャットアウト。「験かつぎじゃないけど、シーズン中に本数の話はしないことにしてるんだ」と首を横に振った。打っても、チームが勝っても表情を崩さなかったのは、2打席目以降は田中の徹底したスライダー攻めに当てることもままならず、4連続三振を喫した悔しさからだった。
リーグ最多タイの29三振が示すように、典型的な長距離ヒッター。パワーを引き出す秘密が「物干しざおバット」にある。34・5インチは、日本球界では中日ウッズの35インチに次ぐ長さ。グリップが細く、重心がヘッドの近くにあり、遠心力でしなりを利かせて飛距離を出す。扱いが難しく、技術が必要といわれるが、ブラゼルは195センチ、91キロの恵まれた体で軽々と振り回す。たとえブンブン丸でも、バットでとらえた時は、期待通りに打球が伸びていく。
渡辺監督は「打てるボールをしっかり打てる」と開幕から任せる4番の座に揺るぎはない。主砲のアーチで勢いづいたチームは、延長戦で粘り勝ち。この日敗れた2位日本ハムに1・5ゲーム差をつけ、渡辺監督は「これからもいいゲームをして、パ・リーグが盛り上がればいいね」と余裕たっぷり。往年のカブレラに負けない破壊力を持つ新助っ人ブラゼルを得て、西武が熱パの主役を走る。【柴田猛夫】



