<日本ハム2-4ソフトバンク>◇20日◇札幌ドーム
ソフトバンク松中が試合後、冗談交じりに言った。「監督からダメ出しされました。あそこで勝負されるようじゃ、まだまだだ、と」。1点差に追い上げられ、迎えた9回。1死一、三塁から痛烈な右犠飛を打ち上げ、追撃ムードに沸く札幌ドームを沈黙させた。その犠飛に対する王監督の評価だったが、チーム4得点のうち3打点をたたき出したのは、4番松中だった。
先制、中押し、ダメ押し、と1人で演じた。初回に先制の左犠飛を上げ、2点リードの5回には2死一、三塁から右前適時打を放った。「悪い流れだったし、こういうときに(4番が)頑張らないと」。チームは今季3度目の3連敗で借金生活に突入。この日負ければ、今季初の同一カード3連敗で、Bクラス転落の可能性もあった。
そんなチームの苦境で、負い目もあった。この日は5試合ぶりの指名打者出場。左肩の痛みを訴え、左翼手の出場を回避した。昨オフに左手首を手術した小久保が再び一塁の守備に入った。「とにかくチャンスでは走者を返すことだけを考えてます。また5割に戻ったし、流れが悪い中で、本当に良かった」。松中が3打点以上マークした試合は、昨季が7戦全勝で、今季も2連勝。4番の仕事、指名打者の責任を果たした。
主砲に「ダメ出し」した王監督は、松中の活躍を認める一方で、物足りなさも隠さなかった。「結局、向こうは(この3連戦の本塁打)5本か。こっちは0本か。何が違うんかいな。松中はいい感じで出てるし、後は打球が上がるようになればね。本塁打は出るようになれば出るんだよ」。王監督の不満はチームワーストの本塁打数。それを解消できるのは、松中の会心の1発にほかならない。【中村泰三】



