ソフトバンクが5日、甲子園特有の「浜風」対策として、異例の“屋外”ドーム練習を敢行した。福岡ヤフードームでこの日行われた全体練習は、今日6日からの阪神2連戦(甲子園)に備え、約1時間ほど屋根を開けた状態で行われた。提案者の秋山チーフコーチは「甲子園、広島と外が続くし、どうせやるなら(屋根を)開けてやろう、と。外野のフライの動きとかの練習にね」と屋根を開けた意図を説明した。

 この日の福岡市の最大瞬間風速は11・5メートル。上空からは打撃練習用の防護ネットをなぎ倒すほどの強風が吹き込み、風対策にはうってつけの環境だった。外野では、井出外野守備走塁コーチが高いフライをノックで打ち上げ、捕球の反復練習を行った。王監督は「外野でフライもやったし、甲子園用のいい練習ができた」と満足げに話した。

 異例の措置だった。日本唯一の開閉式屋根を誇る同ドームだが、全開で公式戦を行ったのは、99年6月19日の西武戦が最後。屋根を開けた状態で全体練習を行うのも「開けてやるのはどれくらいぶりだ?」と王監督の記憶にも残っていないほどだ。今季は屋外球場で8勝7敗と勝ち越しているが、甲子園では03年の日本シリーズも含めて5勝6敗。前夜(4日)の敗戦後も「うちは追う立場だから余裕がない」と話した王監督だけに、交流戦後半戦スパートに向け、万全の手を打っておきたかったようだ。

 球団は球場使用料として年間48億円を支払っているが、屋根の開閉は別途経費が発生する。一般の施設利用で、屋根の開閉はオプション料金で100万円。「阪神戦は盛り上がるし、選手もやりがいがあるでしょう。楽しみですな、あの熱狂的な声援が。ともかく精いっぱい、頑張りましょう」と王監督。甲子園の浜風に乗って、初の交流戦V、シーズン巻き返しに臨む。【中村泰三】