<広島6-1ソフトバンク>◇9日◇広島

 波に乗れないソフトバンク号は、広島でまたも「定位置」にUターンした。今季8度目となる、貯金1から勝率5割への逆戻り。左翼ポール奥で待つ移動バスへ向かう王監督の口と足どりは重かった。「今年はいつも乗り切れないよ」。手のひらをヒラヒラと宙に泳がせ、貯金を増やせない現状を表現した。「王さん、次、頑張って」。ファンから届く声援が耳に痛そうだった。

 過去14勝1敗。6月にめっぽう強い和田で負けた。「1回で決まったな」。王監督は互いに先頭打者を出した初回を思い起こした。表の攻撃を併殺で先制機を逃したその裏。和田は安打と四球、重盗で2死二、三塁のピンチをつくり、嶋にフルカウントから5球ファウルで粘られた末に2点タイムリー。石原も追い込んでから4球ファウルと、実に初回で39球を要した。

 王監督

 立ち上がりの不安定な時に向こうは粘って点を取って、こっちは取れなかった。和田もその後は立ち直って、辛抱強くいったんだがね。和田にしては球数が多いし、切れもよくなかった。

 2回以降、立ち直った広島ルイスに対し、3回に被弾した和田は今季最短4回3失点、89球でKOとなった。8日の初戦も先発新垣が3回2/3で降板。先発投手が2試合連続で5回もたずに降板するのは06年9月以来。首脳陣が杉内とともに先発陣の「マスト」に据える和田もぐらついてしまった。今季2敗目を喫した左腕は報道陣の質問に、ただ首を振るばかり。固く結んだくちびるがわずかに震えていた。

 王監督は言った。「切り替えていきましょう」。チームはこの日夜、後味の悪さを残した広島を離れ、本拠地福岡に戻った。【押谷謙爾】