<広島3-0中日>◇8日◇広島

 中日井端弘和内野手(33)が23日ぶりの復帰戦でマルチ安打を記録した。広島戦に「7番遊撃」でフル出場。2回に右前打、4回に左前打の4打数2安打。守備も無難にこなして、左足故障の影響を感じさせなかった。

 井端は、初回の守備で先頭東出の痛烈な遊ゴロをさばいて波に乗った。7回1死一、二塁では荒木とのコンビで4-6-3の併殺も奪った。「最初に打球がきてドキッとした。試合で疲れたけど足は大丈夫。打撃の状態も悪くない。最後まで出たのでほっとしている」と話した。

 6月15日オリックス戦で落合監督に直訴し途中交代、翌16日に抹消。04年4月2日からの連続試合出場が「637」でストップした。守備の職人は「地味なオレが誇れることは、連続試合出場しかない。1000試合まで続ける」とこだわってきた。大学時代に手術した古傷の左ひざをたびたび襲う激痛にも耐えてきた。そんな記録がゼロになった無念を胸にしまっての再出発で結果を出した。

 それでも井端は「2安打したって負けたからしょうがない。勝つために打つしかない」。帰ってきたチームリーダーに喜びはなかった。【益田一弘】