ソフトバンクは今季限りで辞任する王貞治監督(68)の後任として、秋山幸二チーフコーチ(46)の昇格を決定したことが2日、分かった。近日中に同本社サイドの了承を得て、公式戦終了後の8日にも正式発表する。一部のコーチ人事構想も明らかになり、森脇浩司内野守備走塁コーチ(48)がヘッド格を兼任し、打撃コーチには前西武打撃コーチで編成担当の立花義家氏(49)が就任する。秋山内閣は「王イズム」の継承をテーマに、生え抜きや球団内の人材を登用し、10年ぶりのBクラスに転落したチームの再生に臨む。

 秋山チーフコーチが、新監督として「王イズム」を継承する。ポスト王人事は近日中に孫オーナーら本社サイドの了承を得た上で、正式決定される。球団は王監督が今季限りでの辞任を発表した9月23日から急きょ、後任人事に着手した。竹内孝規COO(47)が「ホークスとして自前で選手を育てる理念はある」と語った方針の下、外部の人材は候補に入れず、内部昇格に絞って人選を進めてきた。

 この日、福岡に戻るため新神戸駅で取材に応じた同コーチは「まだ球団からも社長からも、何も聞いてないよ。(次期監督は)10日から11日に決まるんでしょ?

 (以前)新聞にそう書いてあったしね」と話すにとどまった。

 チームは5年連続で優勝を逃し、今季は10年ぶりのBクラスが確定。チーム再建は難航も予想されるだけに、指導者経験の長い人材の起用も検討された。しかし最終的には王監督の意向が反映されたようだ。王監督はこの日、「(後任は)今までやってきたホークスのカラーをある程度、継承してくれる人がいい。(外部から)一族郎党を連れてこられても、ホークスの伝統というものがある」と言及。秋山コーチについては「2軍監督、総合コーチ、チーフコーチとしてそういう(次期監督候補の)方向でやってきた」と、後任としての適性も認めた。

 秋山コーチは現役時代の93年オフに西武からトレードで移籍。チームリーダーとして99年のダイエー初の日本一、00年のリーグ連覇に貢献した。02年に引退し、05年からソフトバンク2軍監督に就任。07年は1軍総合コーチ、今季はチーフコーチ、と肩書が変わるとともに責任も増した。昨オフの戦力補強では外国人、FA戦略を決定する際、王監督から常に意見を求められた。広島新井(現阪神)の争奪戦に不参戦を決めたのも、若手の起用を主張した同コーチの意向に沿ったものだった。

 今後は2軍の監督、コーチ人事も併せて行う方針だ。早ければ8日にも新体制が発表される。