日本ハムがフリーエージェント(FA)宣言する中日中村紀洋内野手(35)の獲得に乗り出さない方針を、15日までに固めた。近鉄時代の恩師、梨田昌孝監督(55)がおり、受け入れ態勢はあるが、戦力としては必要なしと判断。来季の一、三塁手候補は巨人からトレード獲得した二岡に中田ら主力、若手の有望選手が混在する激戦区で、今後の補強ポイントではないため、見送ることを決めた。

 梨田監督はこの日、ノリとの“接触”を認めた。詳細な日時は明かさなかったが「(FAで)手を挙げます、と連絡はあった」と明かした。オリックスを自由契約になり路頭に迷っていた07年、親交が深い落合監督へ推薦し、再出発を後押し。突然の連絡は、売り込みともとれるが「(当時)落合に話をしたのがあるし、義とか人情なのかな」と違う観点で、受け止めた。

 球団は、その自由契約時に獲得を検討した。プレースタイル、キャラクターが現在、目指しているチームの将来像にマッチしないと撤退。日本ハム本社、大社オーナーを含めた協議にまで発展した。梨田監督も「オレがどうのこうの言えない」とし、判断を球団サイドへ一任。慎重に出した結論が今回、覆る可能性は極めて0%に近い。