<楽天4-1西武>◇12日◇Kスタ宮城
「ヤンキースの先発投手」はだてじゃなかった。楽天ダレル・ラズナー投手(28)が、西武相手に9回を3安打1失点8奪三振で完投し、来日初勝利を挙げた。強気の攻めで打者を追い込み無四球、116球の力投に、野村監督も「闘争心が素晴らしい」とほめた。昨年日本一の西武に勝って連敗を「2」で止め、楽天は再び単独首位に立った。
強い心が痛みを消した。ラズナーは4回、栗山の一ゴロで一塁に向かった際、右足首をひねった。それでもトレーナーすらマウンドに近づけず、その後も黙々と抑え続けた。「ノリとぶつかりそうになってね。痛くないよ」。足首のうずきにも、先制弾にも揺らがない精神力。ヤンキースで先発を務めた男のメジャー魂を、昨年の日本一チームに最後までぶつけ続けた。
少しもかわさず、ひたすら攻めた。強力打線を相手に直球とカットボールで押し、3日前に覚えたばかりのスライダーで崩した。長打を警戒し四球で乱れる投手が多い中、ストライク先行の投球で四死球0。「藤井さんのリードのおかげです」と女房役を立てたが、強気の投球が強打線を詰まらせた。クールな男は「常にアグレッシブなのが、自分のスタイルだからね」とサラリ。それでも野村監督は「闘争心で打者に向かっていくから四球がない。投手は守っている時の唯一の攻撃者だから」と、打者を恐れない投球を絶賛した。
屈辱を体に刻んでバネにした。日本初登板だった5日の日本ハム戦では、連打を浴び4回途中でKO。メジャーの実力を出せずに終わった。翌日、Kスタに姿を見せると、グラウンドをフェンスぎりぎりの大回りで1時間弱かけて15周もした。荒木通訳は「(敗戦を)すべて汗で流して、すっきりしたかったそうです」と代弁した。もともとランニングが好きなタイプではない。だが、走らずにはいられなかった。気持ちを切り替え、雪辱を期す。好投のきっかけは1週間前から始まっていた。
期待の新戦力の活躍でチームは再び単独首位に浮上。同一カード3連敗を逃れ、野村監督も「今日の1勝は貴重で大きな1勝。西武が相手だけにな」と言葉に力を込めた。岩隈、田中の2本柱に長谷部も復調。先発陣が調子を上げてきた。大型右腕がこの日同様、真価を発揮すれば、Aクラス入りへの先発ローテーションは、力強く回り出す。【小松正明】
[2009年4月13日8時24分
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