<横浜4-0阪神>◇9日◇横浜

 2日前の悪夢が横浜新守護神の山口俊投手(21)の脳裏を走る。4点リードの9回表2死、阪神金本に三遊間を破られると、新井を四球で一、二塁。だが、続く林をスライダーで一ゴロに切って試合終了。セーブなどつかなくていい。ハイタッチを取り戻すことが一番だった。

 ホッとした表情で帰途に就いた。不調で2軍降格の石井に代わり抑えを任されたが、7日の巨人戦(東京ドーム)では3-1の8回に小笠原に逆転3ラン。「(明け方の)3時半か4時ぐらいまで考えた。小笠原さんを歩かせてもよかったんじゃないかと…」と眠れなかった。中継ぎ陣の先輩でもある吉川から「オマエしか抑えはいないんだから」とメールをもらい、「一番うれしかった」と切り替えようとした。

 翌8日に4月の月間MVP受賞が発表され「光栄だけど、喜べなかった」と振り返る。同日の試合前練習ではポール間を15本も走った。のしかかる重圧をぬぐい去ろうと、体をいじめた。そしてこの日、火消しに上がり「新井さんの時は少し思い出した。でもこれで完全に切り替えられた。もう負けがつかないようにしたい」と話した。

 大矢監督は「これで吹っ切れたと思う」と目を細めた。5位阪神に1ゲーム差。山口が、真の守護神として再スタートした。

 [2009年5月10日9時46分

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