<巨人6-2オリックス>◇25日◇東京ドーム
暴れん坊将軍のバットがオリックスを成敗した。巨人の阿部慎之助捕手(30)が2回に同点の右越え7号ソロ、6回にもダメ押しの8号ソロと今季初の1試合2発を放って連敗を阻止した。7回には左前腕に死球を受けてそのまま交代したが、幸いにも打撲程度で済んだ。暴れん坊将軍になることを宣言してから不調を脱し、これで3試合連続マルチ安打になった。27日からは交流戦負けなしのソフトバンク(東京ドーム)に刃(やいば)を向ける。
成敗!
巨人阿部のバットがキラリと光った。0-1の2回、オリックス近藤の初球。低めの変化球をぶった斬ると打球は右中間スタンドへ飛び込んだ。同点の7号ソロだ。「自分のスタイルは変えずに積極的に振っていった」と交流戦も関係なし。逃げ切りたい相手バッテリーのもくろみをあっさり打ち崩した。
「余の顔を見忘れたか!?」と言わんばかりの打席はすぐにやってきた。4-2の6回、先頭で再び近藤から右中間にズドン。スタンド上段への特大弾で、今季初の1試合2発だ。「この回が大事な回だと思っていた」と試合の流れを決める一打。1発目の後にはなかった笑顔を見せた。
言い逃れはできまい!
そう自分に言い聞かせた。屈指の強打者も波に乗りきれないでいた。20日の日本ハム戦(札幌ドーム)。勝ち越し機で林に空振り三振した。去年までバッテリーを組んでいた相棒にやられた。バットを見詰め「シンに穴が開いているのかなあ?
ボール形の」とつぶやいた。悔しくて翌朝5時まで眠れなかった。
断じて許し難い!
沈む自分にムチを入れた。翌21日、仙台へ向かう札幌空港で「暴れん坊将軍になります!」と笑顔で宣言した。8代将軍の徳川吉宗が「徳田新之助」に姿を変え、身分を隠し市井で大活躍する名時代劇。同番組のテーマ曲を口ずさむと徳田新之助ならぬ「特打・慎之助」となって、がむしゃらに練習することを誓った。ただのダジャレじゃない。新人時代、同じく不調で特打中にそばでテーマ曲を口ずさむ人がいた。当時のチームメート川相(現中日コーチ)だった。「調子が悪かったときに歌ってくれて。元気が出たんですよ」。
このお方をどなたと心得る!?
22日の楽天戦から暴れ回っている。2割3分8厘だった打率を2割8分1厘まで上げた。7回、清水に左前腕に死球を受け途中交代したが「大丈夫。ガンガン打っていきますよ」と涼しい顔で言い切った。
1週間以上の遠征中、「子どもに会えないのが寂しい」と愛娘と携帯のテレビ電話で話した。ひょうきんな顔をして笑わせた。優しいパパも、グラウンドでは敵をなぎ倒すサムライだ。ところ狭しと暴れ回りオリックスを成敗!
首位を突っ走る原巨人には、前向きで明るくて頼もしい「将軍」がいる。【古川真弥】
[2009年5月26日9時19分
紙面から]ソーシャルブックマーク



