日本ハム中田翔内野手(20)が、27日から始まる横浜戦(相模原、横浜)での「工藤打ち」に意欲を見せた。工藤公康投手(46)は現在中継ぎとしてブルペン待機し、25日の楽天戦では607日ぶりの勝利を挙げたばかり。右の代打として出場することが濃厚な中田とは対戦する可能性もある。26歳年上のベテラン左腕との対戦を、今後の成長につなげる意気込みだ。

 工藤の出身地でもある愛知・名古屋駅のホームで、中田が決意を固めた。「ああいう経験のあるピッチャーと(対戦)できたら、自分のためになると思う。今は誰が相手でも結果を残さないといけない」。1軍残留をアピールするために、26歳年上のベテラン左腕から大きな花火を打ち上げる。

 27日の横浜戦(相模原)は、高橋の一塁手起用が濃厚で、中田はベンチから代打出場の機会をうかがうことになる。福良ヘッド兼打撃コーチは「いい場面だったら二岡がいくことになるかもしれないが、(右の代打は)2人しかいないからね」。走者がたまったチャンスでは経験豊富な二岡の登場となりそうだが、投手が打席に立つセ・リーグ本拠地のため、中田の出場の可能性も大いにある。

 そこで注目されるのが中継ぎとしてブルペン待機する左腕・工藤との対決。昨年9月9日のイースタン・リーグでは直接対決こそなかったが、中田は工藤の前でバックスクリーン弾を放ち「あの方向の打球が伸びるのはすごい。対戦したかったな」と驚かせた。舞台となる相模原は昨年2軍戦で1度だけ足を運び、その試合で右翼ポール際にアーチを架けている相性のいい球場でもある。球界の大先輩からプロ1号が打てれば、自信にも、記念にもなるはずだ。

 この日、移動の多い1軍日程に疲れた表情を見せた中田だが「しんどいけど、うれしいしんどさ」と充実感もある。1軍にしがみつくために、目の前の敵はすべて打ち負かしていく。【本間翼】

 [2009年5月27日9時46分

 紙面から]ソーシャルブックマーク