<巨人0-1阪神>◇19日◇東京ドーム

 薄氷の勝利が、阪神新井貴浩内野手(32)の深刻な状態を浮き彫りにさせた。ここで1本出れば…、という得点圏で4度も凡退。絶不調の6番打者が虎党のため息を一身に浴びた。この日を含めて得点圏12打席連続ノーヒット(1四球)。6月30日の中日戦を最後に1打点も挙げていない。打率の低迷とともに、勝負弱さも露呈。試合後は同じく無安打だった鳥谷と話し込んで、帰りのバスに乗った。和田打撃コーチは「ちょっとパニックになっている。余裕がなくなってきている」と不安を募らせた。

 ポイントゲッターの役割が求められるポジションで快音がなければ、チームの得点力が低下するのも当然だ。スタメンから外すのも手だが、真弓監督は即座に否定した。「外さないよ。力が入る場面ばかりだから…。技術じゃない。気持ちの問題だろう」。現実的な問題として、新井の代役は簡単には見つからない。来季以降も重要な戦力なのは間違いなく、耐えて復調を待つしかない。和田コーチは言った。「(球宴までの)3試合できっかけをつかんでほしい。そこまで行ってから、立て直しを考えたい」。5日間の球宴休みで、打撃フォームの“突貫工事”を行う予定。ここまで不振が長引くとは、予想もしなかったことだ。

 [2009年7月20日11時22分

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