野村カープは「足攻」で勝負する。日南秋季キャンプ中の広島が6日、天福球場で盗塁練習を積極的に行った。前田健がマウンドに上がり、素早いけん制球を一塁に投げるなど実戦に近い形で実施。野村謙二郎新監督(43)が細かく指導し、盗塁技術の極意を伝授した。今季のチーム77盗塁はリーグ5位。今キャンプでは走塁練習も重点的に行っており、相手のスキを突く機動力に磨きをかける。
前任のブラウン体制が目指しながら果たせなかった機動力野球に「魂」を吹き込むのが野村新体制だ。午前中は細かく盗塁練習を実施。マウンド上にはクイックに定評のある前田健がいる。けん制球をかいくぐって、末永、木村らが続々と二盗を試みた。安部が間一髪のタイミングで二塁を陥れたときだ。野村監督の助言が響き渡った。
「タイミングがアウトでも、スライディングの強さがあったら(審判の)印象も違う!」。わずかな動きすら、おろそかにしない。徹底的に緻密(ちみつ)な盗塁や走塁の技術をたたきこむのが野村イズムだ。指揮官は「いま練習することを試合の中で生かせるか。頭を使わないといけない。投手の配球を読んだり、けん制のクセを盗んだり、雰囲気を読んだり…。打撃練習中にスライディングさせるとき、ボールの状況を確認したりね」と説明した。
走塁練習も入念に行う。この日、三塁へのスライディング練習では自ら三塁手にふんして動きによってベースに滑り込む位置を確認させた。今季のチーム盗塁数はリーグ5位の77個。広島が優勝を果たした過去6季は平均的に、ゆうに100個を超えている。79年は143個。野村監督は「盗塁が80個でも勝てばいい」と話す一方で、機動力をフルに生かす野球を目指す。
「意味のある盗塁をしないといけない。相手にプレッシャーをかけながら、数が増えていけば。意識を持つなかで、数は増えていくもの。3安打で1点ではなく、1、2安打で1点を取る。そういう野球を目指すうえで盗塁は欠かせない」。
広島は、俊足選手を抱えながら生かし切れていないのが実情だ。今季のチームトップは14個の東出、赤松、梵だった。走りの質を追い求めつつ、盗塁数アップをもくろむ。【酒井俊作】
[2009年11月7日11時42分
紙面から]ソーシャルブックマーク



