西武が14日、今季限りで横浜を退団した工藤公康投手(46)の獲得を発表した。16日に埼玉県所沢市の球団事務所で記者会見を行う。前夜に家族会議で西武入りを決断した工藤はこの日、神奈川県横須賀市のベイスターズ球場で「西武で渡辺監督を胴上げ出来るようにしっかり投げる」と、94年以来の西武復帰へ固い決意を語った。

 この日朝、工藤が西武球団幹部に入団の意向を電話で伝えると、直後に宮崎・南郷で秋季キャンプを行う渡辺監督から喜びの声で電話がかかってきた。

 渡辺監督

 工藤さん、本当に決めたんですか!

 また一緒に頑張りましょう。

 工藤

 はい、中継ぎでも先発でも、どこでも投げます。よろしくお願いします。

 80~90年代前半の西武黄金時代を支えた2人は、工藤が2つ年上の先輩、後輩関係で現役時代はオフの自主トレを共にする仲だった。今も親交が深い2人だが、工藤はこの日で「ナベ」の呼び名も、言葉遣いも改めた。「選手と指導者の関係になるし、しっかり線を引く。昔の関係は胸にしまって監督を男にする」と宣言した。

 背番号「47」が工藤の代名詞だが、こだわりを捨てる。「来年47(歳)。47(歳)以上まで頑張るという意味でも、それより大きい数字がいい。ここで骨をうずめる」。29年目のシーズンを迎えられる喜びが、言葉に込められた。【山内崇章】

 [2009年11月15日14時31分

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