クールな森野が爆笑お立ち台予告?

 ナゴヤドームを満員にしたい!

 中日の新選手会長森野将彦内野手(31)が立ち上がった。選手会合同自主トレがスタートした15日、ナゴヤ球場での練習後、球団営業部と1時間以上に渡ってファンサービス改革案を議論した。ファンから公募した企画を月1回のペースで実施する「目安箱」の設置を柱に、ヒーローインタビュー改革にも前向き。観客動員数が減少したチームの危機を救うべく、新会長が動いた。

 クールなままではいられない。超満員のナゴヤドームを思い浮かべて、新選手会長の森野が呼びかけた。お立ち台で笑いを取れ!

 お客さんが満足できるよう、ヒーローインタビューの改革をぶちまけた。

 「例えば、お立ち台でもうちのは大人しいですよね。他球団はもっといろいろやっている」。

 巨人阿部の「さいこーです!」やオリックス小松の「キター」などお立ち台で選手が絶叫する“爆笑フレーズ”はファンの間に定着して、立派なサービスとして成り立っているが、中日は伝統的に「みんなのおかげです」や「たまたまです」など生真面目な受け答えが多い。この雰囲気を選手会長自ら、変革しこうというのだ。

 森野自身、謙虚なコメントが多く、ファンの間では硬派なイメージが強い。ナインに指令したからには、今季は爆笑フレーズの絶叫など何らかのマイクパフォーマンスが見られることは必至だ。「開幕戦を楽しみにしていてください。お立ち台に上がれるかな?」。冗談めかして笑った。

 イメージチェンジを打ち出したのは、満員のナゴヤドームでプレーしたいからだ。この日は選手会合同自主トレの初日。41人が参加した練習を先頭で引っ張った後、今度はファンサービスの改革をするべく球団営業部と話し合いを持った。吉見、英智、藤井の副会長3人を伴って、1時間以上も話し込んだ。

 「まだ、具体的に決まったわけではありませんが。いい話し合いができました。やはりお客さんが入っていない球場で野球をやるのは寂しい。たくさんのお客さんがいる中でいいプレーをしたいから」。

 昨季は12球団で唯一、観客動員数が前年に比べて減少した。空席の目立つスタンドを見て、森野自身も危機感を覚えた。だからこそ立ち上がった。改革の柱は8代将軍・徳川吉宗ばりの“目安箱”。「なるべくファンの意見を形にしたい。意見を出してもらって要望の多いものから、月1度のペースで結果を出したい。もうすぐ正式にお話しできることになると思います」。ファンから公募したサービス案を月1回、実行に移す。森野はこれが最も効果的だと考えた。近々、球団がファンへ向けて正式に発表する予定だという。とにかく、笑えるお立ち台を見に来てほしい。再びナゴヤドームを満員しようとする情熱は生半可ではない。【鈴木忠平】

 [2010年1月16日11時1分

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