落合中日が息づまる接戦を制して6連勝を飾った。横浜戦は6回まで両チーム無得点の投手戦となったが、7回に谷繁元信捕手(39)が2試合連続となる決勝2号ソロで勝負を決めた。守備では小笠原を好リードで導き、打撃では前日の22年連続本塁打に続く1発と大車輪の活躍。正捕手を中心に本来の「守り勝つ野球」を取り戻したチームは首位を快走中だ。
意地とプライドのひと振りだった。両先発投手が1歩も譲らずに0-0で迎えた7回、谷繁が打席に入った。カウント2-3から内角直球を鋭く振り抜くと、打球は左翼席に飛び込んだ。「小笠原が頑張っていたので何とかしたかった。でも、そう思っていてもなかなか打てるものではない。たまたまでしょう」。前日の22年連続本塁打に続いて2試合連続となる2号ソロが決勝弾となった。
6回まで立ちはだかった横浜ランドルフは、実はリーグ最大級の天敵。昨季途中からだが、0勝2敗でチーム打率1割1分4厘。森野も、ブランコも、井端も牛耳られた。その難攻不落の左腕を初対戦の谷繁が攻略した。本人は「たまたま」と言ったが、頭脳的な打撃だった。制球に難があるランドルフがカウントを悪くしたわずかな糸口を見逃さなかった。四球を嫌う投手心理を見透かしたかのようにフルカウントからの直球を狙い打った。
チーム内で絶対的な存在である谷繁には開幕から思わぬ「逆風」が吹いていた。2カード目のヤクルト戦で先発山井、小笠原がともに5回持たずに大量失点でKOされて連敗。そして、本拠地に戻った後の阪神戦で吉見が3回に5失点すると、投手より先に谷繁が交代を命じられた。ベテラン捕手に投じられた異例の「カンフル剤」だった。
再び山井、小笠原とバッテリーを組んだこの2試合は意地の見せどころ。前夜は山井を887日ぶりの勝利に導き、この日も低めに投げる小笠原の持ち味を引き出して今季初勝利を支えた。「まだ課題はあるけど。結果としてゼロになったかな」。バットで刻んだ1点より、9個並べた「0」に目が向くのは正捕手の性(さが)だろう。常勝軍団に常勝捕手あり。谷繁の存在感が際立つ勝利だった。【鈴木忠平】
[2010年4月8日9時32分
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