<阪神11-5中日>◇29日◇甲子園

 リーグ優勝を最大の目標に掲げるオレ竜ががけっぷちに立たされた。2位阪神に今季ワーストの5被弾を食らって完敗し、首位巨人とのゲーム差は今季最大の8に開いた。球団史上最大ゲーム差の逆転優勝は88年の8ゲーム差。これ以上離されれば数字上、優勝の可能性がなくなってしまう。開幕から73試合目にして早くもデッドラインを迎えた。

 ついに数字上のデッドラインを迎えた。甲子園のベンチ裏から出てきた落合博満監督(56)はいつものように笑みをたたえながら話し始めた。「こういう試合は年に何回かあるよ。まあ、打てないやつらが最後に5点取れたというのを前向きにとらえないといけないんじゃないか」。今季ワーストの5被弾を浴びての大敗。だが、指揮官は11失点よりも5得点に目を向け、強気の姿勢を崩さなかった。

 リーグ再開後、初対決となったライバル阪神に圧倒された。先発朝倉が2回、3回とブラゼルに2打席連続弾を喫するなど3回までに6失点した。ブラゼルにはいずれも浜風の後押しを受ける左翼へ運ばれた。決め球のシュートを狙い打たれた感のある朝倉は「振ったら本塁打でしたから…」とうつむいた。捕手の小山は「風が吹いていたから向こうに打とうとしていたかも。シュートを狙っていたかもしれない。読まれたというか、僕の負けです…」。この日、特に強かった浜風を利用した阪神打線に脱帽した。5回には2番手ネルソンがブラゼルにだめ押しの3打席連続弾。巨人が勝ったため首位とは8ゲーム差。逆転優勝のために、もう1歩も下がれない状況に追い詰められた。

 明日への希望があるとすれば、落合監督の言うラスト3回だ。7回には野本が4号ソロを放った。8回には堂上直がヒットで出た。そして、9回は代打堂上剛がつないで、荒木の1号2ランを呼び込んだ。

 「こういうゲームで先のことを見つけるんだ。あいつらが頑張らないで、だれが頑張るんだ。当落線上にいる連中じゃないか」。野本、堂上剛、堂上直らは競争のまっただ中にいる。故障中だったセサル、大島が実戦準備を整え、井端もこの日から練習を再開した。明日、1軍にいられる保証はないのだ。大敗の中、落合監督が見た兆しは本物か。第2戦以降で真価が問われる。【鈴木忠平】

 [2010年6月30日11時45分

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