<阪神3-4横浜>◇10日◇甲子園
甲子園の女神は意地悪だ。阪神鶴直人投手(23)が、プロ最長となる6回1/3を6安打3失点に抑えたが、本拠地3度目の先発でも勝てなかった。
あの1球が悔やみきれない。1点リードの6回1死。4番村田に、カウント0-2からの3球目スライダーが高めに抜けた。「失投とかもあったので、その辺が行けなかった」。バックスクリーン左に打球が飛び込むのと同時に、鶴の体も「く」の字に折れ曲がった。7回1死三塁からは清水の二ゴロがイレギュラー(平野の失策)する不運で勝ち越し点を献上。自己最多となるちょうど100球目の悲劇で降板した。
自信を付けてのマウンドだった。前回登板の3日、巨人戦(東京ドーム)初先発で5回 2/3 を2失点の快投。強力打線を相手に2勝目を挙げた。5月29日のプロ初勝利は、球界屈指の日本ハム・ダルビッシュに投げ勝ったもの。ローテの一角として存在感も増してきた。
1回は先頭下園こそ、四球で歩かせたが、緊張がほぐれた右腕はのびのびとキレあるボールを投げ込んだ。交流戦後から、リリースポイントで最大限に力をいれられるよう試行錯誤している。オーバースローから、たたきつけられる直球はこの日最速147キロをマークした。
2敗目を喫したが、久保投手コーチは鶴の好投をたたえた。「7回で2、3点なら、うちはゲームになる。よくやっている」。大和、上本、藤川俊ら若手野手が新風を吹き込む中で、23歳右腕も負けていない。試練を与える女神を、今度こそ味方につける。【鎌田真一郎】
[2010年7月11日11時58分
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