<阪神7-3横浜>◇11日◇甲子園
来た、来た、来た~!
阪神が横浜に快勝し、首位巨人に0・5差と肉薄した。打線に火をつけたのは、頼れる5番、クレイグ・ブラゼル内野手(30)だ。2回、先制ソロを右翼スタンドにたたき込み、両リーグ30号一番乗り。7回には4番手加藤の内角攻めに激高してマウンドに詰め寄るなど、熱いハートでチームをけん引した。これで、4カード連続で勝ち越しとなり、貯金は今季最多に並ぶ「11」。13日の直接対決を制すれば、5月2日以来の首位に返り咲く。
強烈な浜風VSフルスイング。力比べに勝ったのはブラゼルだった。日の丸がちぎれそうなほど、右から左にたなびく逆風を放物線が切り裂いた。「あれだけの風だから戻されてアウトだと思ったよ」。一瞬、あきらめた。だが打球は右中間の大歓声に招かれるようにスタンドイン。「ラッキーだった。ファンの声援が一押ししてくれたね」。並の選手なら外野フライか。両リーグ最速、節目の30号はこの男だからこそ成せる怪力弾だった。
0-0の2回。横浜大家のカットボールをすくい上げた。試合の流れを引き寄せた先制ソロには、いろんな付加価値があった。デーゲームで巨人阿部とラミレスがそろって29号を放ち、キング争いで並ばれていた。だがその一撃で、再び突き放した。阪神外国人の30発以上は03年アリアス以来だが、左打者に限れば87年バース以来23年ぶり。92年の甲子園ラッキーゾーン撤廃後では助っ人初の快挙だった。
「あれだけの偉大な選手に、そこまで喜んでもらえたらうれしいよ」。ベンチでは金本が、わがごとのようにはしゃいで祝福してくれた。続く城島が連弾を放つと、自身がハイタッチの列の最後尾へ。しゃがんで捕手の構えをつくり、両手の指を向け合って喜びを分かち合った。「ジョーは捕手だからね。ファンも楽しんでくれればいい」。7回の打席では加藤の内角攻めに激怒して突進しかけたが、今度は城島に抱きついて止められた。ナイン一丸、快進撃を象徴する光景だった。
虎の先輩助っ人として、同じマンションに住む仲間の成功を祈っている。試合前練習では打撃向上を願うスタンリッジの熱意にほだされ、直接指導を行った。「あれは釣りの話だよ」。照れ笑いでごまかしたが、メッセンジャーへの思いも同じだった。4月末から2軍生活に耐えてきた男の初先発。休みに時間が合えば食事に誘ったり、お互い幼い子どものパパ物語をしながら、激励してきた。だがやはり1番のプレゼントは白星の援護。3回にも中押し適時打を放つ2打点で、マウンドの友を鼓舞した。
参議院選挙は終わったが、自身への清き1票を呼び掛ける1発ともなった。球宴出場の最後の1人を選ぶ特別枠「プラスワン」のファン投票は12日まで。「名誉なことだし、選ばれたらもちろん出たいよ」。30号弾は夢舞台への“最後の駆け込み演説”。やるべきことはやり尽くした。
首位巨人が敗れ、ゲーム差0・5に迫った。そして13日からは、最高に盛り上がること間違いなしの天王山。甲子園で宿敵を迎え撃つ。「チーム一丸となって戦いたい。僕もいい打撃をして勝利に貢献したい」。キング争いはトップを守る。そして、チームの首位を奪ってみせる。お立ち台で誓った必勝宣言。熱い3連戦でも主役を張る意気込みだ。
[2010年7月12日12時48分
紙面から]ソーシャルブックマーク



